まだ、ない。
19歳で一人暮らしをして以来ずっと、なくてはならない、コレがないとどうやって生きるの?
だって、ずっと実家にもあったし、の、冷蔵庫。

初めて、ない。

なくなってみたら、平気。ぜーんぜん、平気。
しかも、食材に無駄をしなくなった。
「毎日コンビニで買い食いしているんじゃないの?」
「毎日そこらへんの飲み屋で飲み歩いて帰っているんじゃないの?」
安心してください。
自炊しています。
朝ごはんは家で食べ、昼はお弁当を作り、夜は週に4日は作って食べています。

日曜日に八百屋に行って新鮮な野菜を仕入れ、お肉が食べたい日は、お肉やさんで50グラムだけ計りうりしてもらい使い切り、お魚が食べたいときは、一切れだけ買ってきて焼く。

ビールは、冬なので、とりあえず、ベランダでひえひえ。
というか、ビールを家で飲まない。
もっぱら、赤ワインだから、常温がうまい。
ビールが飲みたくなったら、30秒くらい歩いた先に、冷え冷えの赤星の瓶ビールが飲める店がある。

なんの不自由もないことがわかった。

最近は、朝だけ日が当たるベランダで、野菜を栽培しようかと思ったりしている。
香草なんかあったら最高だ。

米も小麦粉も、卵も醤油も味噌も、油も塩も胡椒も、必要なものは、たいてい冷蔵庫がいらない。
考えてみたら、昭和の最初まで、なかったんだから。
わたしの理想とする暮らしは、江戸の長屋。
それに近づいたと思ったら、ちょっとうれしい。

ちなみに、今日の献立は、冷蔵庫じゃないところに保管したものたちで作ったパスタ。
にんにくなんて、冷蔵庫に入れるより、生きた心地がするのか、匂いが強い。
だから、非常にくさうまい。

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わたしは小川糸さんのファンだ。
彼女の考え方、生き方が好きだ。
今日は、冷蔵庫じゃないところに保管したものたちで作ったパスタを片手で食べながら、小川糸さんのエッセイ「こんな夜は」を読んでいた。
糸さんとペンギンの暮らしが微笑ましくて、ほほほほなんて思っていたところで、こんな文章が。

「私にはひとつ、具体的な夢がある。それは、冷蔵庫のない暮らしをすること。掃除機も冷蔵庫も、できればいらない。でも冷蔵庫は絶対置きたくない。それが成り立つような暮らしが、いつかできたらいいなぁと思っている。」
だって、糸さーーーーーん。
成り立つよ。
ちなみに、わたし、掃除機もいらない。箒とちり取りが好き。でも、クイックルワイパーは使う。

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糸さんが同じようなことを考えていて、とてもうれしい夕食だった。

とはいえ、暖かくなると、買わざるを得ないかもしれない。
わたしの暮らす力、生きる力は、江戸の長屋暮らしの人々の4分の1程度だと思っている。
だから、せいぜい冬のたわごと。

そうそう。
洗濯機もないけれど、これは、無理。
ない暮らし2週間にして、完全に、くじけている。
好きな時に洗いたい。たとえ、洗えたとしても、脱水がきびしい。
腱鞘炎になりそう。
コインランドリーが遠い。寒い。汚い。切ない。

洗濯機のない暮らしは、できない。
江戸の人は、着物そんなに洗わなかっただろうから、いいのだ。
現代の服は、洗濯願望が強すぎて、手に負えない。

早く洗濯機を買わなくちゃ。