海洋酸性化の足音② | さまようブログ

海洋酸性化の足音②

 以前にも海洋酸性化の問題を紹介しましたが、このところ酸性化に関するニュースがいくつか続けて流れています。
・浮遊性巻貝の殻が溶解
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121126-00000026-jij_afp-int
・北大西洋で急速なpHの低下が観測されている
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=00020121121003&expand#title
・日本近海でも同様
http://mainichi.jp/feature/news/20121121ddm012040054000c.html


日本近海(東経137°線上)のpHの変動。この30年でpHにして0.05ほど低下したことになる。気象庁HPより。

 この要因は大気中の二酸化炭素濃度の増加にあることは疑問の余地がありません。二酸化炭素濃度(世界平均)は今年も観測史上最高を更新し、390ppmに達しました。(そういえば、「大気中の二酸化炭素濃度が増えているのは海洋から二酸化炭素が放出されているからだ」と主張する例がありますが、海洋酸性化という現実とどう折り合いをつけるのか、聞いてみたい気がします。)

 海洋酸性化は、生態系への深刻なダメージのほか、海洋が吸収する二酸化炭素が減少するため大気中の二酸化炭素濃度上昇に拍車がかかるという側面も持っています。個人的には、海洋酸性化は化石燃料の燃焼により生じるさまざまな影響の中でも、最も深刻なものになりうる可能性があるのではないかなどと思っています。