この打楽器というパート、何かとハプニングが発生しやすい状況下に置かれている。
何しろ演奏してるより休んでる方が断然長いわけで・・・そりゃもう、居眠りするわ、タイミングはずすわw
逆に出突っ張りで、同じパターンを何十回となく繰り返してると、
楽譜の1段や2段ずれて演奏していても間違ってるという認識がなかったりする。
今回は見聞きした打楽器奏者のハプニングをいくつか書いてみる。
1)居眠り
大学2回生の時、所属していたアマチュア合唱団でベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ)」を
某オーケストラ(プロ)とやることになった。
そのオケ合わせの時のこと。
私はプロのオケマンの練習ぶりをしっかり見せてもらおうと、ティンパニーの後ろあたりを陣取って
興味津々で待ち構えていた。
練習が始まるや否や、そのティンパニストは楽器の上にうつ伏せになって居眠りをし始めたから驚いた。
(え~~っw 居眠りなんかして大丈夫なのぉ?)
心配しながらチラチラと見ていたら、出番の4小節前になると突然ヒョイ!
と起き上がったからまた驚いた。
ドンドコドン!と数発叩いたかと思うと、再びうつ伏せになって居眠り。
そして、またまた出番の4小節前になるとヒョイ!
ドコドコドコドコ~!とトレモロをやって、また居眠り。
決して寝過ごさないところは、さすがプロと言うべき?
ちなみに、本番はずっと起きて演奏していた。(当たり前だがw)
2)セッティングミス
音大後輩で打楽器専攻のAさんがあるアマオケの演奏会にエキストラで出演したときのこと。
珍しく和太鼓が使われている曲だった。
ゲネプロ(舞台での通し稽古)が終わってから「和太鼓の位置が良くないとから移動して!」
との指示があったらしく、団員の手で位置が変えられた。
そして、本番。何も知らないAさんは、しかるべき出番の部分で、大きくバチを振りかざし、
ドォォォォ~~~ン
とホール中に響き渡る音で聴衆を魅了する予定だったのだが・・・。
スコッ
何とも情けなく間抜けな音が?!
「は?」と、状況が飲み込めないAさん。
実は、移動の際に太鼓の裏表が逆にセッティングされてしまっていたのだ。
本番中に どうすることも出来ず、最後まで鳴らない太鼓をスコンスコンと虚しく叩く羽目になったAさん。
楽器の移動は自らの手でやった方がよい。
3)連絡漏れ
同じくAさん。
K大オケにエキストラで出演した時は、都合でゲネプロに間に合わず、ぶっつけ本番となった。
1曲目は「ポッ・・・ポッ・・・」とささやくようなピアニッシモのピッチカートで始まる曲。
ところが演奏が始まるや否や・・・
バラバラバラバラーーーーッッッ
Aさんの演奏するシロフォンの華々しいトレモロの音がホールの隅々まで鳴り響いた。
驚いたのは指揮者と団員。そして当のAさんも驚いたが、3秒後には空気を察知して、
何事もなかったかのようにサッと椅子に座り、天井を向いてシラを切った。
実は1曲目は打楽器は全然入っていない曲だったのだ。
そんなこと何も聞いていないAさんは、2曲目を1曲目だと信じて演奏し始めたわけだ。
ゲネプロをやっていたら、その時に気がついたのだが。
やはりゲネプロは少々無理をしてでも参加するのが賢明だ。
4)タイミング外す
打楽器奏者なら身につまされる、超有名な逸話。
ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」は第4楽章にたった1回だけシンバルが登場する。
その一発を叩くためだけの打楽器奏者が一名、必要となる。
(実際には第3楽章のトライアングルと掛け持ちでも可能なのだが)
あるオケの演奏旅行で、その「新世界より」の一発シンバルを担当することになったB氏は、
旅支度をし、飛行機に乗って現地入りした。一発だけのために。
さて、本番。
新世界のシンバルは、ジャーーーン!!と華々しく叩くのでなく、
メゾフォルテでシャリ~ン♪とすり合わせる感じ。
演奏時間は7秒ほど。
動画を貼っておくので、出来れば最初から聴いて、いかに待ち時間が長いか体感していただきたい。
時間のない方は30分11秒あたりからが第4楽章、 シンバルが鳴るのは31分52秒あたり。
よほど耳を澄まして聴かないと聞こえないくらいかすかな響きだ。
待って、待って、待ちすぎたB氏は緊張のあまり肝心のところでタイミングをはずし、
結局何一つ音を発することなくコンサートを終えた。
旅支度をして飛行機に乗って移動した上、リハーサルもし、
衣装に着替えて出番を待っていたというのに。
これは決してB氏だけに起こった話ではなく、そこかしこの(アマ)オケで同じ事が発生していると聞く。
昔、フランキー堺主演の「ああ新世界」というテレビドラマ(日曜東芝劇場)でも
同じ事が起こっていたそうな。
「新世界より」の逸話といえば、ジャズドラマーの森山威男氏が学生時代、
本番中にシンバルを落とし、 それはそれは盛大にクワンクワンと鳴りながら
転がって行ったという有名な話もある。
5)落ちる
打楽器奏者はひな壇の一番後ろが定位置であるわけだが、大編成ともなると、これが結構高い。
振り返って下を見ると、そこは絶壁で、高所恐怖症の人に打楽器は絶対無理だと思わせる。
ある演奏会の最中、シンバル奏者が突然、姿を消した。
もうすぐ叩くところなのに、大丈夫だろうか・・・と客席で心配していると、
しかるべきところでひな壇の裏から
ジャーーーーン
とシンバルの音が聞こえてくるではないか?!
落下のショックに耐え、命がけで責任を果たす打楽器奏者。
本当にお疲れ様です!!
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