黒目川(13) 黒目川北側崖線と小水路(下) | 西東京水路跡散歩

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2019/9/26開設

黒目川(13) 黒目川北側崖線と小水路(下)

 

 

 

現在再開発が行われている上の原地区の南東側、黒目川北側崖線近くから水路が確認できる

この水路のさらに上流側の起点は、崖からの湧水や排水の他、野火止用水からの引水も考えられるが不明である

この水路はこの場所で3系統に分かれて石神地区を流れ、中溝川や黒目川北側水路へと接続していたようです

 

写真1 瀧見観音堂の西 黒目川北側崖線から続く空間

 

瀧見観音堂前の通りを越えて、北から南へ水路敷らしき空間が続いている

上流側と思われる北側(崖線側)の空間は、民家の裏手を抜けて崖線側へ延びているように思える

ここは恐らく水路跡で間違いないと思うが、水源が不明で崖線からの湧水か排水路か、はたまた崖上からの水路等が思いつく水源だが・・・

尚、水路はこの場所で3系統に分かれていたようで、この場所を起点にそのまま南下する水路、やや東側を並走する水路、さらに大きく東に進む水路に分かれていたと考える

特に並行して南下する2つの水路は、構造から水路間が水田もしくは畑となっている農業水路だった可能性が高い

そのことから、安定水源(雨水排水路では当たらないため)と水質の問題から湧水か野火止用水からの加水が考えられるが

古い野火止用水の水路図が記載された野火止用水古絵図では、南側への分水の記載は存在しなかった

よって湧水があったと考えるのが自然ではないか

 

写真2 南側へ延びる水路敷

 

写真1の場所の南側、北側の空間の延長上に当たるが南側へ延びる水路敷が確認できた

よく見ると格子状の蓋が手前と奥に存在し、現在でも排水用暗渠として使われているようだ

 

写真3 瀧見観音堂入口

 

通り沿いの水路起点から、東へ30mほど進んだ場所にある瀧見観音堂への入口

南下する2つの水路とは別に、この門前を通り道路沿いに東へ向かう水路があったと思われる

通り沿いに面した場所に表門はあるが、お堂へは崖線の上にあるようで階段を上っていく

瀧見観音という名前は観音様の種類の1つで、滝を見ている様を現しているらしい

崖線から落ちる、もしくは崖から湧く水の”滝が見える”場所にあるお堂の事かと思ったが

仏像の種類の名前なので水路は特に関係ないようだ

ただ、水路の起点と思わしき場所に瀧見観音があるのも何かの縁なのだろう

 

写真4 黒目川通りへ延びる水路敷

 

新しいバイパスと黒目川通りの交差点、神宝町二丁目交差点の東側に

南下してきた水路敷が2本南北に走っている場所がある

写真はその西側の水路敷を写したものだ

この水路敷はこのまま南下して、黒目川通りに出てそのまま通りに沿って流れていた

他の並走型水路でよく見られるように、ここも東西水路の間が水田や畑になっていたようだ

 

写真5 黒目川通り沿いの水路合流点

 

瀧見観音堂より南下してきた水路の西側は、この場所で黒目川通りに合流する

写真を見ると、左から来た水路が奥へ流れていく(もしくは逆)ように見えるが

水路方向としては、奥から来た水路が通り沿いを右に流れていた

左から続いている歩道も恐らくは水路と思われるが起点がよくわからない

この分離歩道の起点は、西へ200mほど進んだ神山バッティングセンター辺りまで続いている

分離歩道の起点で崖線側を見ると鳥居と祠が見え、脇に細い道が崖線上まで続いていた

これが水路と関係あるならば、水路は崖上から来たことになるが・・・

 

 

写真6 黒目川通り北側を並走する南下水路

 

南下した水路の西側は黒目川通りに合流したのに対し、東側は並走する形で現在は住宅街の裏手を通っている

暗渠化されてはいるが雨水管が接続されていることから、現在も現役水路として稼働しているようだ

 

写真7 両水路を結ぶ連絡水路の跡

 

黒目川通り沿いの水路と住宅地裏の水路を結ぶ連絡水路の跡がまだ残されている

黒目川沿いの西側の南下水路は、この先で通りを右折して中溝川に合流していたようです

 

写真8 東側水路の黒目川通り合流点

 

住宅地の裏手を進んできた東側水路は、この場所で南下し黒目川通りに出ていたようです

その際、通り沿いに東へ進む水路と南下する水路に分かれ、いずれも黒目川北側水路に接続されていました

 

写真9 瀧見観音堂前の通りと水路跡

 

瀧見観音堂の通りは東西に延びる通りで、水路は東方向へ流れていたと思われます

南下した2本の水路とは違い、明確な水路敷が存在しないため確実に水路と断言はできませんが

観音堂前より東に100m程移動した、ゴミ集積所となっている路地が旧水路跡と推察します

ご丁寧にいつもの木も植わっていますね

 

写真10 黒目川通りから延びる水路敷(?)

 

写真9から続く水路は、現在の住宅地や道路となっている場所を通り黒目川通り北側へ出ます

この交差点は、石神第一児童遊園のやや東側の黒目川通りを撮ったもので、北に向かい水路敷のようなものがあります

黒目川通りには、観音堂から南下した水路のうち東側の水路が流れていたので、両水路を結ぶ連絡水路の跡と考えられます

 

写真11 保育園の南側の残る水路敷

 

石神郵便局の北西、保育園の敷地南側に水路敷と思われる空間があります

勿論全部水路では広すぎるので、左側1/3程が水路で残りは道だったのではないか

左側1/3幅で見ると、真っすぐ石神第一児童遊園裏手まで空間が伸びているのがわかる

この水路はこの路地を南下して、黒目川北側水路に合流していたようだ

 

半分番外編のような形で、2回に分けて黒目川北側崖線からの水路を扱いました

次回からはまた黒目川に戻りたいと思います

 

 

次回更新 10/16予定