さすらいさんちの話 7/1 | 武蔵野舟木組 2024

武蔵野舟木組 2024

               さすらい

今年のお盆は、我が家は新盆(にいぼん)になります。

我が家のお盆は、新盆で行うのか旧盆で行うのかは良く判りませんが、盆提灯を飾る事にしました。

 

本来、新盆の場合は、新盆用の白い提灯を今年だけ飾るのですが、白い提灯は昔から好きでは無いし、寂しいので白い提灯は飾らない事にしました。

 

提灯など馴染みのない子供達や孫たちは、どんな反応をする事でしょう。

その昔(50年近く前のこと)6月中旬になると、盆提灯の販売を家具売り場の片隅で行っていました。岐阜から提灯が届き、取引先が手伝いに来て、釣り提灯、置き型提灯の大内行灯、回転行灯、白提灯などを飾ります。釣り提灯よりも行灯が良く売れましたが、特に回り灯篭の様な回転行灯が良く売れたものでした。今ではお盆でも提灯を飾る家は殆どないのではないでしょうか。

 

こんな思い出があります。

提灯を飾った売り場の隣が、当時流行していたサマーベット(ボンボンベット)を販売していました。その日は、朝から仏壇の搬入をして仏壇フェアの準備をする日でした。

 

まだ若かったさすらいは、社内の早朝野球に参加していて、その日も朝6時から試合がありましたが、雨の為に試合が出来なくなり、売り場のサマーベッドで仮眠する事にしました。

すると、寝てしばらくして金縛りにあったのです。

見えてはいませんが、警備員が近づいて来る気配がします。必死に目を開けるのですが、身体は全く動きません。わずかに開けられた目で、自分がいる所を確認すると、提灯が目に入り、自分の居場所だけは確認できます。

 

しばらくして、金縛りは解けて起き上がる事が出来ました。

実は昔に、その建物の地下で寝ていた警備員が、食品売り場の冷凍のガスが漏れて、亡くなっているのです。エレベーターが夜中に誰もいないのに地下迄降りてしまったり、夜間警備の人間が、誰かに付け回されたり、そんな事があるビルでした。その事で辞めた警備員が居るともききます。毎年命日には、花を飾ったりの法要を行っていたとも聞きました。

 

そして、その命日はお盆の頃だったとも聞きます。

今でもその事は、警備員の命日、提灯、仏壇に関係した金縛りだったと思っています。

今でも怖い思い出として残っています。