安達明「女学生」 | 武蔵野舟木組 2024

武蔵野舟木組 2024

               さすらい

デビュー5周年 明治座「ぼっちゃん」

 

間もなくすると60周年を迎えると言う舟木さん。そんな時が来るとは考えもしなかっただろう20代。

同じ時を過ごしてきたファンにとっても、今の「舟木一夫」が存在するとは、思いもよらぬ事だったに違いない。それは舟木さんご自身にとっても、考えも及ばぬ事だっただろう。

 

人生は長いと言っても、先の見えない未来を予測する事など出来ない。舟木さんのデビューと同時期にデビューを果たした芸能人も多い。そうした人たちは、今どれ程現役として残っているだろうか。

 

安達明と言う歌手がいた。「女学生」と言う歌を唄い、歳も同じだった事から、好きな歌手だった。

♪薄紫の 藤棚の 下で歌ったアベマリア・・・

彼は東京の高千穂高校に通っていて、偶然修学旅行の鹿児島で、同じ修学旅行に来ていた彼に会った事がある。そんな彼がどうしているかと気になって、昔ネットで検索した事があった。彼のデビュー曲は「潮風を待つ少女」と言う曲で、舟木さんと同じ遠藤実先生の曲だ。3年ほどで引退してしまったが、未発表曲を含め34曲録音されていると言う。そして2011年に62歳の若さで亡くなられている。

 

彼はまた、歌謡界に席を置きながら、舟木さんとは全く違った人生を送った。人気の比較は別にして、彼が見ていた未来の人生とは何だったのだろうか。

 

偉そうに書いているが、さすらい自身、先の未来など何も考えずに生きてきた。大事な青春期に全く何も描けなかった。舟木さんは、自分が間もなく消えて行くだろうと感じていたと、いろいろな所が書かれているが、それは真の実力があり、たゆまぬ努力と大局観を見据える力を持っていたからこそ、今に至っているのだろう。お芝居と言う大きな物を得、歌唱力と言う大きな味方を得ている事で、たぐい稀な芸能生活が送れているのだと思う。

 

安達明と言う歌手の事は「女学生」という一曲で、今でもさすらいの心の中に残っている。それはまたそれで、彼には良かったのだと思ったりしている。