神道護摩壇の記憶 | 秩父曼荼羅小屋通信 ~武尚院 峯龍の求道日記~

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修験道や武術などの修行を通じて、感じたことを気まぐれに記します。
秩父曼荼羅小屋での出来事や、イベント、講座の情報などをお便りします。
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石川県の小松にある

高野山真言宗別格本山那谷寺に参詣したのは、

秩父曼荼羅小屋を開く以前の

平成23年の10月だったと思います。

その年の3月に東日本大震災がありました。


和歌山熊野那智大社から南北に走る

水の道を巡りを供養するために、

この年は奈良県室生寺、龍穴神社から大神神社、

三輪山、奈良周辺、京都周辺、

福井県小浜 若狭井、鵜ノ瀬に

参詣いたしました。

※那智大社~玉置神社~天河神社、室生龍穴神社~

三輪山大神神社~奈良東大寺二月堂~

京都笠置寺一月堂~若狭、鵜ノ瀬 他


鵜ノ瀬まで水の道をたどり、帰りは白山方面

にルートをとり、石川県小松の那谷寺に

参詣いたしました。

那谷寺は、高野山真言宗別格本山ではありますが、

境内の神仏お祀りは、正に自然智、白山信仰

「白山妙理大権現」

そのものと感じた記憶があります。


那谷寺では参詣以外にも目的がありまして、

那谷寺の宿坊、「自然智の里 生雲」に

宿泊することでした。


生雲は那谷寺から少し離れた円行山の山頂に

在り、境内には求聞持堂なども在りました。

眼前は白山が広がり、白山、自然智の

信仰風景が広がります。

但し、生雲は真言宗の那谷寺の宿坊ですが、

坊内には仏像などは一切ありません。

自然智に徹しております。


二階は本殿となり、本殿中央には

見慣れない祭壇(神道護摩壇)が在りました。

祭壇前の窓は大きな一枚ガラスで、

白山が大きく望める配置です。


なるほど、自然智 白山そのものが本尊であり、

ご祭神なのだと。


祭壇以外の場所は白山を望みながら

座禅や瞑想の場となります。


翌朝、此方の祭壇にて神道護摩を焚かれる

とのこと。

楽しみに明朝を待ちます。


翌朝、朝のお勤めが始まり、その内容は

ここでは触れませんが、密教式で神を祀る

とでも表現しておきます。(両部神道など)


護摩の後、祭司にお話しを伺うと、

概ねになりますが私が感じたとおり、

両部神道(密教神道)、吉田神道、宗源神道が

キーワードとなります。

私が修験行者と云うことから、様々な情報を

頂きましたが、それもここでは触れません。


祭司によると、この護摩壇は東日本大震災の

少し前に福島の南相馬にある蛯沢稲荷神社の

祭壇をモデルに製作されたとのことでした。

その後、東日本大震災により

南相馬、蛯沢稲荷神社は被災されましたので、

神仏の成せることに言葉もありませんでした。


私はその時以来、両部神道や

神道護摩壇の資料など収集し、

秩父曼荼羅小屋を開いてからも

収集する様に努めて参りました。


それは神仏習合文化の貴重な内容だからです。

また、秩父曼荼羅小屋は修験道場でありますが、

同時に、日本の伝統文化や信仰文化を収集、

保存、伝承し、未来へ相続する場でも

あるからです。


※神道護摩壇の画像は國學院大學博物館の

HPに紹介されておりますので雰囲気を

見たい方は此方をどうぞ。

吉田神道の護摩壇が見られます。


秩父曼荼羅小屋も令和六年は十周年記念の年。

様々な行事を企画中ですが、

その一つとして、神道護摩壇を

秩父曼荼羅小屋内に製作したいと考えて

おります。ポイントのみを押さえた形式とは

なりますが、取り組んでみたいと思います。

もちろん、会員の皆様や賛同戴ける

方々にご協力頂いての取り組みとなります。


可能であれば来年夏頃には完成させたいと

思案しております。


神道護摩壇プロジェクトでもつくりますかな⁉️


秩父曼荼羅小屋 峯龍


※現在秩父曼荼羅小屋で収集した資料、

生雲の祭壇の画像などは一般公開して

おりません。