続きです。

ココ二イタラコロサレル。

そんな恐怖観念に陥った私は脱出を決行します。

とりあえず、北へ逃走


取るものもとりあえず、熊本で一人暮らしをしていた私はとりあえず原付バイクで福岡に向かいます。

なぜか、遠くに行かなきゃ、という気持ちが働きました。

だが、遠く言ってもそんなに遠くの土地勘がないところへは行けない。

なので、大学で4年間住み慣れた福岡に向かいました。

最初、訪れたのは福岡の九州大学近辺でした。

そこは高校の同級生で、特に仲が良かったヤツが住んでました。

多少、訪れるのを躊躇したのを覚えています。

九大近くの本屋や、公園をしばらくたむろしてました。

 

「オレ、何してるんだろう。

今なら謝って、何もなかったことにしてもらえるかも。

また、もとの大学院生活に戻りたい。

だがしかし。

あの助教授のもとにこのまま帰るのは絶対イヤだ!

帰ったら何されるか分からない。

また、陰でぼろくそに言われ、精神的に追い込まれる。」

という気持ちが頭の中をグルグルしてました。

 

ためらいましたが他に頼るやつもいなかったので、私はその福岡の友達のところへ行きました。

そいつのところにはすでに私の親から連絡が来ていたみたいで、驚かれましたが2、3日はかくまってくれたと思います。

ですがだんだんと険悪な雰囲気になってきました。

二人で外食をしている時もお互いしゃべらず、終始無言なのでそいつが、

「なんかしゃべれよ」

とかつっかかったりしてきました。

いい加減、居づらくなったのでその翌日、そこを去ることを告げました。

そいつの元を去る時、別れ際に最後に一言、

「親に連絡するように」

とだけ言われました。

 

そのあとはとりあえず熊本に戻りましたが、どうしても出頭?自首?する気になれず、住んでいた家の近くの公園でなんとなく時間をつぶしてました。

今思えば当時の自分は周りの誰をも、親でさえ信用してなかったのだと思います。

 

とりあえず自宅近辺の公園に野宿し、翌朝、忙しそうに出勤、通学する人たちを眺めてました。

何をするあてもありません。

通勤、通学する人たちを遠目に見つめる公園のベンチにたたずむ若き失踪者。

異様な光景ですよね(笑)

預金残高の暗号


もう戻りたくない、戻れないとその頃覚悟を決めかけてましたが、そんな私の最大の懸案事項は軍資金が底をつきかけてるということでした。

というのも少しは貯えがあったはずの郵便貯金の口座から、予期せず貯金がごっそり抜かれていたのです。

親が仕送りのため、通帳を持っており、私がカードで引き出していたので、向こうから引き抜かれるのは当たり前と言えば当たり前ですが。

そんなことも分からないくらい当時の私は未熟でした。

預金残高は8890円。

意図的に作られた数字のようでした。

何となく数字の意味合いは分かりました。

 

8890



ハヤクゼロ



早く出ろ

 

親としては預金通帳の残高から、必死に息子にメッセージを送っていたのですね。

だがしかし、そんなメッセージは私の心には届きません。

金だ、金がない。

金がないと何にも出来ない。

とにかく生きるために金が必要だということをこの時身をもって体験しました。

 

なぜか親に裏切られたような、騙されたような気になったのを覚えています。

信頼してたのに悔しいと思いました。

とにかく金がなく、私はどんどん追い込まれていきました。