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先日、あるメディアの人にこう尋ねられました。

「日本で韓国プロ野球が好きな人って、やっぱり在日の人が多いんですか?」

この「やっぱり」の根拠が僕にはわかりませんでした。


僕は在京岡山人2世ですが…

僕は父が岡山県、母が静岡県の出身。上京して出会った2人の間で、僕は東京で生まれ育ったので、「在京岡山・静岡人2世」です。長いのでここでは父方を採用して、「在京岡山人2世」とします。

僕が調べた限り、ウチは6代前まで岡山の同地で暮らし、先祖は学校の先生や警察官などお堅い職業の人が多かったようです。

ルーツは岡山にあるものの、岡山には子供の頃、盆と正月に帰るくらいだったので、僕は岡山の文化、風習はほとんど知らず、方言も喋れません。

ということで、「おやつはやっぱり、きびだんご?」とか「広島をライバル視してる?」と言われてもどれにも該当しません。かなり偏った質問だとは思いますが、岡山について詳しくないので気が利いたものが思いつきませんでした。

しかし僕とは違って、岡山特有の生活習慣が身についている在京岡山人2世の方も当然いらっしゃることでしょう。


つまり、親の出身地が生活や趣味趣向に反映されるかは人それぞれであると考えます。

在日コリアンも人それぞれ

僕には多くの在日韓国・朝鮮人(以下、在日コリアン)の友人、知人がいます。その大半が3世なので、おじいちゃんおばあちゃんの出身地が朝鮮半島ということだと思います。

彼らの中には法事(チェサ)や食文化など、祖父母から伝わったものを継承している人がいる一方で、日常生活に韓国っぽさが皆無、もしくは興味がない、中には韓国のことがあまり好きではないという人もいます。僕が韓国に関することをしているということで、わざわざ「そういえばウチはおばあちゃんが韓国の出身だった」と教えてくれた友人もいました。

祖父母の出身地がその人の考え方や行動に影響を与えるかどうかは、上記の親の出身地でも記したように個人差があるようです。

ちなみに僕の在日コリアンの知り合いで、日常的に韓国プロ野球をチェックしているという人は、球界に従事している人を除いてまったくいません。野球好きはいますが、それぞれ好きなNPBのチームを応援しています。


ひとくくりにしたくなるけど

韓国プロ野球に関するイベントに来て下さったファンの方で、「僕は在日(3世)です」とお話し下さった方もこれまで2、3人いらっしゃいました。とはいえ文頭の「やっぱり」につながる程ではないと感じています。

ではどんな人が日本で韓国プロ野球に興味を持っているかというと、ビッグデータを分析する限り、野球が好きであるということは明らかです。あ、ちっとも分析っぽくないですね。「ビッグデータ」って書いてみたかっただけです。

人は何かをひとくくりにするのが好きです。野球界でも「○○世代」や「××OB」とかを便利に使いがちで、僕も好んで使ってしまう方です。しかしくくったものが皆同じではないことを念頭に置くべきだと、今回改めて思いました。

「あなたは在×○○人(何世)ですか?」

自分がどのくらい○○人らしいかを考えると、ひとくくりにすることの無理やりさを感じる人も少なくないでしょう。

 

→(関連)「韓国プロ野球観戦ツアー」今年で17年目。「きっかけ」について考える