こんにちは!TOOLBOXの室本です。
今回のご依頼はZC33SスイフトスポーツのLSD取付け❗️
実はこのクルマ、元々機械式LSDが入った中古車を購入したとの事ですが…
中身の仕様がわかりません
そしてお客さんはジムカーナをしているという事もあり、LSDの効きがタイムに大きく影響してしまうんです
とりあえず現状を把握するためにイニシャルトルクの簡易測定を行うと…
16N.m❗️
相当低くなってます
元々入っていたクスコ製LSD、最近「ZC33S用のヘタリが早い」といった噂が
通常ならオーバーホール を行うところですが、
ここ一番で効いてくれないと困るんです
オーバーホールしても一年と保たなかったら…
という事で新たにLSDを購入する事に❗️
今回導入するのは
「ATSメタルLSD」
カーボンLSDが有名なATSですが、普通なメタルLSDもラインナップがあるんです
マイルドに効きが立ち上がる特性のカーボンに比べ、メタルは直ぐに効きが発生してくれるのでジムカーナとの相性は抜群❗️
そして今回のATS製に関しては
「作動角60°」
のプレッシャリングも設定があるんです
この数値が大きくなる程素早く効き始めてくれるのですが、クスコ製だと55°が最大なのです。
そして今回クスコ製と比較して分かったことが…
フリクションディスクの枚数が
クスコ製:12枚
ATS製:16枚
だった事❗️
単純に言ってしまえば1.33倍の当たり面が存在するという事になります
ちなみに以前取付けしたOS技研製では、
枚数は変わらないけどディスクの大きさにかなり差がありました。
具体的な差は採寸していなかった為分かりませんが、有効面積の大きさはクスコ製より有利でしょうね
この要素はLSDの本質的な効きに一番影響を与えますし、構造上の違いである以上
「セッティング次第で」
とはなりません。
ただ、
ディスクはその分薄い(?)様にも見えますね
ジムカーナ仕様ということでイニシャルトルクも18キロと高めにセットしてもらっていますが、その事よりも影響力は大きいと思います
そして取り外したクスコ製LSDも
「タイプRS」
という特別な構造で、
”イニシャルトルク発生方向とプレッシャリングの作動方向が一緒”
という構造から作動の早さに関してはどこのメーカーよりも優れています❗️
しかし…
イニシャルトルク低下はジムカーナという競技においては無視できません
という事で今回はお客さんの了承のもとこちらも点検してみるとこに❗️
内部のフリクションディスクが摩耗している事を想像して点検してみますが…
あまり目立った摩耗はしていません
厚みを測定しても然程減っている様子は無く、手持ちの新品ディスクとの差を測ると…
大体0.01〜0.005mm程度の差。
これを12倍にしたとしても、摩耗した(?)厚みは多くみて0.12mm程度。
もちろんこの厚みを失ってもイニシャルトルクは変わってしまいますが…多分1〜2キロ程度しか変わらないのでは?
実際にこのLSDのイニシャルが5キロまで発生するように厚めのディスクやシムを使って調整してみたら…
0.4mm程度は必要でした
という事は、
イニシャルトルク低下=スプリング力低下
という可能性が高い気がします
ただし、
「じゃあスプリングを交換すればイイんだ❗️」
とはならず、スプリングレートの低下の原因が分からないとダメなんでしょうね
現状ではコレといった対策方法は見つけていませんが、今問題を解決できれば、作動の早いタイプRSの優位性が活かせそうですね
でも、当面は
”有効面積の多いATS”
という選択がジムカーナではベストでしょうね
今後もこの車両がどの様に変化していくか?チェックしておきたいと思います
ご利用ありがとうございました❗️
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