こんにちは!TOOLBOXの室本です。
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2022年3月30日
車種:MINIクーパS
型式:ABA ~MF21S
年式:平成20年式
作業依頼内容:白煙修理
当店NewデモカーのMINIです❗️
BMWミニとして数えると2台目となるR56系。
モータースポーツで楽しみたいので購入したのはスポーツモデルのクーパS!
1.6Lのターボエンジンで、先代同様に刺激的なモデルです
平成20年式の13才。
走行距離は12万kmオーバーの…
いわゆるボロです
問題点は盛り沢山ですが、
今回は、この白煙の原因を修理していきたいと思います
アイドリングで数分放置して「いざ発進!」とアクセルを踏み込むと…
マフラーからスゴい勢いで白煙が
マフラーから白い煙が出る場合、考えられるモノは、
水蒸気(湯気)か燃えきれなかったオイル
が考えられます。
水蒸気なら気温次第ですが、割と早めに消えてしまいます。
しかし、オイルの燃えカスの場合は
工場の屋根に滞留するくらい残ります
今回はオイルの白煙だと思われます
そしてオイル消費の要因としては、
オイル下がりとオイル上がりがあります
オイル下がりは、インテークバルブよりシリンダヘッド側のオイルが吸い出される症状。
オイル上がりは、ピストンとシリンダの隙間からオイルが燃焼室側に入り込んでしまう症状。
今回は症状からオイル下がりの可能性が高いです
ということで、
バルブステムシール交換を行います❗️
まずはタペットカバーを取り外します。
この年代のMINIはディーラーで「2万kmオイル交換しなくて良い」と言われてきたクルマですから…
エンジン内部が絶望的に汚い時が多いんです
でも、この車に関しては比較的マシだった様で、
茶色くなっていますが、酷いスラッジなどは無さそうです
不幸中の幸い…ではありますが、このエンジンは
オイル交換サイクルは決して良くなかった
という事はしっかりキモに銘じておきます
スラッジは居なくても、悪いオイルで循環していた結果…
摺動部の摩耗は多くなっているかも?
特にその影響を受けやすいのが、
タイミングチェーンです
通常、タイミングチェーンは「交換時期」というものが存在せず、場合によっては一度も交換されずに生涯を終える車も少なくありませんが、オイル管理が悪いクルマの場合、
チェーンが伸びてエンジン不調の原因になってしまう事も
「チェーンが伸びる」というと、物理的に伸びてしまっている事を想像してしまう方もいらっしゃるかもしれませんが「チェーンが伸びる」要因は、
チェーンコマ各所の摩耗
が原因なんです
各所の摩耗がは大した事がなくても、全ての摺動部で摩耗すると…
最悪一コマ程度ずれてしまうケースもあるんです
今後、モータースポーツでガンガン使っていくうえでは、新品に交換したいトコロでしたが、
今回はそのまま再使用しておきます
一年後くらいにシリンダヘッドオーバーホールと併せて検討します
タイミングチェーンを緩める為に、チェーンテンショナを取り外します。
取り付け位置は、スロットルバルブ横辺りで、
赤い矢印の先くらいに取り付けられています!
テンショナーを取り外すとタイミングチェーンが緩みますので、
チェーンがケース下に落ちていかない様にタイラップ等で縛っておきます
これでようやくカムシャフトが取り外せましたので、
いよいよバルブステムシール交換です
プラグホールに圧縮エアーを導入し、エアーの力でバルブを支えておきます。
バルブスプリングコンプレッサーで各バルブスプリングを取り外し、
その先にあるバルブステムシールを取り外します
通常、この状態ではバルブがシリンダ内に落ちてしまいます。
ですので、
正式にはシリンダヘッドを降ろして行う作業なんです
そうなると、取り外す部品はもっと多くなり、工賃も倍以上かかってしまう事に…
でも、今回の方法を使えばシリンダヘッドを降ろさずに作業ができる為、
10万円以下でも作業が可能なケースもあるんです
この作業が出来るかどうかはバルブの密着次第ですから、
作業を行なってみないとどうなるかは分からないんです
まぁ安く上がる可能性があるわけですから、まずはこの方法から始めてみるのが良いでしょうけどね。
外したバルブステムシールを新品との比較!
やはり予想通りにバルブステムシールがヘタっていた様です
これだけシール部が痩せていたら、そりゃオイル下がりも起きそうですね
このクルマは16バルブですので…
同様に残りの15個も交換します
…結構大変です
全てのステムシールを交換したら、カムシャフトを元通りに組み付け。
バルブタイミングも特殊工具を用いてしっかり調整します!
カムシャフトが固定できたら、
タイミングチェーン・テンショナを取り付け。
テンショナは念の為、新品で組み付けます
テンショナを取り付ければ、チェーンの張りも自動的に調整してくれます
元通りに戻していって作業完了です
白煙もバッチリ消えました
E90系の四気筒エンジンでも同様なトラブルは多いです。
オイル交換サイクルの長さも一因かもしれませんが、
やはり素材的に弱い様な気もします
余談ですが、こういった作業を行う際に、
本当にバルブステムシールで直るんでしょうか?
とか、
他が原因だった場合はどうなるんですか?
という、
謎に責任を問う質問をされる事があります。
そのような「確実な」状況を知る為には、
まずはエンジンをバラバラにして各所をちゃんと点検しないと分からないんです
もしそんな事をしていたら、
点検費用:100万円
修理費用: 10万円
なんていう状況になってしまいますけどね
今回の様な判断は、あくまでも「予測」です。
我々はそういった「予測」の精度を日々の経験や、数多くの学習を通して培っています。
それでも、
現実とは異なる可能性だってあるんです
その結果直らなかったら、
10万円もかけたのに!
と言われる事もありますが、
10万円しかかけてないんですよ?
10万円の費用で110万円の結果を得ようなんてムシの良い事だと思いませんか?
そういった金銭感覚がズレたまま、
10万円の修理代をケチって300万円の車を買って「得した」って思っている人も少なく無いんですよね
クルマは古くなると壊れます
修理をしながら付き合っていくのは大変な一面もありますが、20年未満の車なら大抵は
直しながら乗った方がお得です
気に入ったクルマなら、しっかり手入れをして大事に乗っていきたいですね
ありがとうございました!
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愛知県安城市和泉町大海古3-12
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