9月24日にブログを開設しましたが、その後、まったく”なしのつぶて”になってしまい、ブログを見てくださっている方には失礼をしました。ちょっと仕事が立て込んでいて、ゆっくりブログを書く時間がありませんでした。
さて、きょうは現在、木曾山林資料館で進行中の仕事についてお話ししようと思います。
この資料館には標本類とともに沢山の図書もあります。どこから来た図書なのかを先に説明しないといけませんが、これが複雑というか、いろいろなルートで、大勢の方々のご支援で図書が集まってきたのです。雑誌は別にして、当館のメインである林業関係と郷土史関係の単行本だけで約3,000冊が登録されています。
第一は、木曽山林高校と木曽高校が統合したとき(平成21年3月, 2009.3)、山林高校にあった図書の内、生徒が木曽青峰高校に移っても役に立つと考えられる図書は、統合先の木曽高校に移動しました。特に林業関係や環境関係の図書は専門科(森林環境科・インテリア科)の勉強をするのに必要ですから、数百冊を選んで持っていきました。その選択は、実は私(やまじい)がやりました。当時(平成20年12月から翌年2月頃)は、先生方は統合の準備に忙しくて、落ち着いて図書の選定をしている時間はなかったのです。
上の選択から外れた林業関係の専門書は、多くは戦前に発行された本だったり、内容的にむずかしくて生徒には歯がたたないものですが、専門書としての価値はありますので、新開キャンパスにある「蘇水会館」に収納しました。(蘇水会館は100周年記念のとき、木曽山林高校の同窓会が建てたもので、1階にスライド式の大きな書庫があります)
また、郷土史の関係の本は、当然木曽高校にも同じ本がありますから、だぶるものはみな新開キャンパスに置いていくことになり、現在、資料館で有効に使わせていただいています。
第二に、図書室とは別に、山林高校の小会議室に図書館におくスペースがないために、スチール製のガラス戸棚にびっしりと入っていた図書がありました。戦前の木曾山林学校時代の図書室にあったもので、革製の立派な表紙の百科事典や辞書の類・岩波講座の数々の本・いわゆるわが国の「古典」といわれる文学の全集などです。これらも蘇水会館の書庫に入れました。さらに、小会議室には山林学校のOBである後藤克人さん(旧姓:山村)から寄贈された林業の技術書がありました。後藤さんは山林学校から盛岡高等農林学校に進み、卒業後は国有林に入って第一線でずっと活躍した方です。最後は昭和26年に長野営林局長になった人で、退職後、自身が長い年月にわたって仕事で使ってきた本をそっくり母校に寄贈してくれたのです。
第三に、中部森林管理局(一部は長野営林局時代も含む)から寄贈された本がすごい量あります。平成に入った頃から全国的な営林局・営林署の統廃合の嵐が吹き荒れましたが、木曽谷でも10署あった営林署が最終的には木曽森林管理署と南木曽支署の2つに統合されました。なくなる営林署から山林高校OBの手で沢山の本が同窓会である「蘇門会」に運び込まれてきました。いずれも、戦後の大規模な伐採が行われたときに、現場の第一線で実務に必要な手引き書として活躍した書物ばかりです。
第四に、OBの方々が個人的に寄贈してくださった本がたくさんあります。これは現在でもときどき申し出があって、貴重な本が続々と入ってきます。落ちがあるかもしれませんが、いま頭に浮かぶ寄贈されたOBのお名前をあげると、古川彦次さん・平田利夫さん・林信一さん・児野健吉さん・古瀬忠雄さん・香山郁郎さんなどから沢山の本をいただいています。それ以外に、ご自身の書かれた本を寄贈された方はお名前を省略しますが、資料館の第二展示室に公開していますのでご覧いただきたいと思います。
最後に、最近になって寄贈された素晴らしい書籍の山を紹介しましょう。寄贈してくれた方は中畑孝史さん(第77回・昭和55年3月卒業)です。今年3月末で中部森林管理局を退職しましたが、その36年間に仕事のため、さらに自らの知的好奇心を満たすために買い求めた林業関係・環境関係の書籍、約570冊をそっくり寄贈してくれました。国有林時代の何回もの研修の際に使用したテキストも、1冊の欠けもなくそろっています。
ここにある本は昭和50年代後半から平成(1980~2015)にかけての新刊本ですから、どちらかというと古い時代の本が主たる蔵書である当館にとって、願ってもない図書です。
しかも、これらの本は、一人の林業技術者が日々の仕事の中で成長してきた過程を、どんな本が支えてきたのかを知ることができるという意味でも貴重なモノです。
現在、これらの本の登録を中畑さん自身がやってくれています。11月末までには書庫に収めることができると思います。この本たちは「中畑文庫」と名づけて、他の本と混ぜないで特定の書棚にまとめて置く予定です。
きょうは、ここまでにします。1回分の文章としては大変長くなってしまいましたが、ここまで読み通していただいた方に厚くお礼申し上げます。
次回は、当館独自というか、よそにはほとんどないと思われる図書群についてお話ししたいと思います。
