カメムシーズン到来 | アリ塚

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アリクイが混沌に導く、アリたちに築かれた秩序

ようやくやってきましたね、『カメムシの季節』。何かしらのカメムシは年中どこかにいるものですが、多くの種類の成虫を見られるのは秋です。

 

キマダラカメムシ Erthesina fullo の幼虫。クルミの枝を吸汁していた。

 

成虫の形態も王道の格好良さだが、幼虫の形もユニーク。

 

カメムシの背面を汗で体表に貼り付けて腹部を撮影する、ジョジョっぽい高等テクニック。体長に対して非常に長い口吻が確認できる。

 

同じくクルミの葉裏にあったカメムシ類の卵キマダラだろうか。

 

キマダラカメムシといえばこれまで何匹も捕獲してニオイを確認しましたが、昨年8月に捕まえた1個体だけが『青リンゴのようなニオイ』を出しました。その後も青リンゴ臭のキマダラを探しましたが、全てカメムシ臭。今回の幼虫も青臭いカメムシ臭。この探求は今シーズンも続きます。

 

成虫の画像もリンク先にて。

 

 

アカシマサシガメを探していたところ、ビロウドサシガメ Ectrychotes andreae を発見。

 

赤い腹側が美しい。口吻で反撃しようとしていたが、我が鋼の肉体(ボディ)筋肉は貫けなかった。

 

2匹目を発見。他のサシガメ類と比較すると翅表面に光沢が無く、ビロード状になっている。

 

ビロウドサシガメらしき幼虫も見つけた。

 

昨年は、地上棲サシガメアカシマサシガメしか見つけられませんでしたが、今回はビロウドサシガメしかいませんでした。一時期はアカシマサシガメらしき幼虫もたくさん見られたのですが。両者は生態が似ているため、競争の末に置き換わってしまったのでしょうか(競争排除)。

 

アカシマサシガメはこちら。

 

ビロウドサシガメアカシマサシガメと同様ヤスデ類を捕食しますが、ビロウドサシガメのほうが少し広食性で、小型昆虫やヤスデ以外の多足類も食べるようです。ヤスデは大量にいるため、この食性の差は個体数の差に直接影響していないだろうと思っています。

 

それでも、競争に有利な何らかの要因があるのかもしれません(ビロウドアカシマを捕食できるとか)。ビロウドも格好良いですが、アカシマ捜索も続けます。

 

 

ところでこのビロウドサシガメアカシマサシガメと違って、『生のサンショウ(山椒)の実を磨り潰したような、爽やかな刺激臭』がしました。元々はヤスデ由来の成分から生合成されたものでしょうか。ちょっと料理に使えそうでした(有害かもしれないが)。

 

これまで「アカシマサシガメはニオイを出さない」としていましたが、再確認する必要があるようです。サシガメ類は刺すかもしれないので、ニオイチェックの際は注意が必要です。

 

 

パイナップルの葉上、マルシラホシカメムシ Eysarcoris guttiger。昨年も数匹捕獲し、口にまで入れたがニオイ未確認

 

どんなに弄ってもやはりニオイを出さず。どうしたものか…。

 

ハロウィン(悪魔)『たくさんいるんだから構いやしねぇ。一匹ぐらい潰してニオイ嗅いじまいな』

ドクロ(わし)『う~ん、う~ん…』

天使(天使)『いけません、「一寸の虫にも五分の魂」ですよ。虐め続ければいつかニオイを出します』

 

 

キダチダリア(皇帝ダリア)にビッシリ、ツマキヘリカメムシ Hygia opaca。

 

ニオイは酸臭いつものカメムシ、いつものニオイ

 

数日前に同所で、ハラビロカマキリの成虫がツマキヘリカメムシを捕食していました。カマキリ視覚だけでなく、嗅覚や味覚でもエサを判別していることが明らかにされています。酸臭感じないか、嫌いではないということでしょう。プルメリア上でアリを食べていたハラビロカマキリの例もあります(このアリキュウリのような味だったが)。