随分と前のブログはダラダラと書いてしまった。今回はスッキリと書くということを目指し書いてみよう。五分前後で読めるような。それはブログとしては長いか。とにかく書いてみよう。あぁこういうのでもうダラダラといってしまいそうだ。



気を取り直して。




今回はバッドフィンガーというバンドの思い出について書いていこう。このバンドはウェールズのバンドらしい。そんなことはどうでもいいか。調べれば分かる。

僕がこのバンドと出会ったのは、このバンドの曲をジェリーフィッシュというバンドが演奏していたからだ。

これを初めて耳にしたとき、「これ、聞いたことある気がするな」と思った。カヴァーだと知ったとき、「やはり!!」と思ったものの、バッドフィンガーという名前は知らなかった。どこで聞いたかはいまだに不明だ。もしかしたら「気がする」だけであったのかも。
聞いたことあるかないかはさておき、僕はバッドフィンガーが気になった。ジェリーフィッシュがカバーしていた、『嵐の恋』という曲は、『ノー・ダイス』というアルバムに収録されているらしい。これがとても好みのアルバム・カヴァーだった。
ので、買ってしまった。だが、代表曲(「Badfinger」と動画サイトで検索すると上の方に出てくるから代表曲と言っても良いだろう)が入ったアルバムだけ買うというのは、なんだか格好悪い感じがしたのでもう一枚買った。
もう一枚を何にしようかと考えたとき、バッドフィンガーは大きく分けてアップル・レコーズにいた時代と、ワーナー・ブラザース・レコーズにいた時代があるというようなことを読んだのを思い出し、ワーナー・ブラザースのときのを買おうと思った。そして、『素敵な君』というアルバムを注文した。
届いてみると、『ノー・ダイス』はもちろん『ノー・ダイス』だったが、『素敵な君』ではなく、『涙の旅路』というアルバムが届いた。
『涙の旅路』は、ワーナー・ブラザース時代に出した二枚のスタジオ・アルバムの内の一枚だ。もう一枚は、『素敵な君』である。僕はがっかりしたのだが、また買えばいいやと思い、『ノー・ダイス』を流すことにした。
僕は当然『ノー・ダイス』に大きな期待を寄せていた。なぜなら、『嵐の恋』が収録されているから。それにあの、アップル・レコーズである。僕のそこそこ好きで、世界的に超超有名なビートルズが立ち上げた、あのアップル・レコーズである。僕は『涙の旅路』を横目に『ノー・ダイス』を流し始めた。
しかし、『ノー・ダイス』は『嵐の恋』(とボーナス・トラックの『嵐の恋』のデモ)を除くとイマイチという感じだった。僕は結構残念な気持ちになっていた。二枚も買ってしまった。しかも新品で。しかも商品が違っていた。『涙の旅路』をまだ流していないのにそんなことを思っていた。また、僕は『涙の旅路』は『ノー・ダイス』に劣るのは間違いないと考えていた。なぜなら、『ノー・ダイス』はあのアップルと契約していたときのアルバムなのだ。これより劣るとなるとかなりまずいと思った。
僕は気落ちしながらCDをプレーヤーに入れた。気落ちしていたのにはもう一つ理由があった。僕は『ノー・ダイス』を流しながら、この、『涙の旅路』を開封していたのだが、その際にCDに付属した冊子にダメージを与えてしまったからであった。これじゃあ返品もできない。冊子の表紙にダメージを与えてしまったのでケースを裏にしてCDを再生した。

素晴らしいことが起きた。この文章を読んでいるあなたは予想したであろうけれど僕は予想だにしなかった。一曲で後悔はほとんど吹き飛ばされた。「キタキタキタキタ!!」という具合に僕は興奮した。しかし、まだ一曲目だ落ち着けと思った。『ノー・ダイス』の『嵐の恋』同様、これだけかもしれないのだ。落とされないために落ち着くのだ。しかし落ち着けなかった。なぜなら、二曲目も素敵に思えたから。

おいおい、どうしたんだ君たちは。とでも声をかけたくなるような仕上がりの二曲に僕は驚いた。なんだ? 『ノー・ダイス』の後で力をつけていってたのか? それともワーナーに移籍してソフトな感じの曲を作れと言われてそれがうまくフィットしたのか? とにかく僕は驚いていた。
そのあとはここまでの驚きはなかったが、「あれっ、これもなかなか」というような感じの曲がたくさんあった。そう思っているうちにアルバムは終わった。
おかしいな……あっちはアップルから出ているはずなのに……名曲があるはずなのに……。そんな思いを捨てきれなかった僕は(しかし、この時点で一番好きな曲は『嵐の恋』だった。『涙の旅路』は好みの曲はたくさん入っていたが一番の曲はなかったのだ)、彼らの他のアップル時代のアルバムを買った。『ストレート・アップル』(嘘である。本当は『ストレート・アップ』である)だ。
その、『ストレート・アップ(ル)』は『ノー・ダイス』の次のアルバムである。このアルバムには知っている人物がクレジットされていた。僕が同時期に聞き出したトッド・ラングレンだ。

「よっしゃ!! これはいけるぞ」と思ったのだがそんなことはなかった。これは『ノー・ダイス』の延長線にある作品だった。しかも、僕が『ノー・ダイス』で気に入った、『嵐の恋』なし!! しかし、フォローしておくと、全体的には『ノー・ダイス』より楽しめた。
「あーやはり駄目だなアップル時代」そう思った僕はワーナー時代のアルバムを買おうとした。『涙の旅路』の後に出た、『素敵な君』というアルバムを買おうとしたのだが、その時、『素敵な君』はそこそこ高かったためやめた。そのとき僕は、『ヘッド・ファースト』というアルバムの存在を知った。これは、『素敵な君』の後に作られたがお蔵入りになったアルバムのラフミックスで、アーティザンという会社が二〇〇〇年に発売したものであった。探してみると中古で安かったので買ってしまった。
これをこたつに入って再生したことを僕は覚えている。一曲目の『レイ・ミー・ダウン』が始まった途端CDを入れたパソコンの方をバッと振り向いたことも。

「ピ、ピート・ハム、お前(お前って……)こんな曲が書けたのか」
いや、ピート・ハムは『嵐の恋』という、とても僕が好きな曲を書いていたのである。これを書けてもおかしくはない。しかしこれが入っているのがお蔵入りになったのか……。
この『レイ・ミー・ダウン』は僕が今まで聞いた中でのバッドフィンガーの曲で一番と言ってもいいものだった(『嵐の恋』と同じくらいかもしれない)。
そして、それ以外の曲もなかなか楽しめるのも嬉しかった。その中でも、『ムーンシャイン』は目を見張る出来だと思った。しかもそれが、バッドフィンガーの中で僕好みの曲を一番の多く書いている、ピート・ハムを除いたメンバーによるものだと気づいたとき、ここで一回バッドフィンガーは終わってしまうが、バンドとしての変化はまだ終わっていなかったのだなと感じることができた。

このアルバムで新加入したメンバー、ボブ・ジャクソンの手による、『ターン・アラウンド』もかなり格好よかった。これ聞いた僕はメンバーの交代はこのラインナップでのアルバムをもう少し聞きたかったと思った。
そして、このアルバムを楽しめたとなると、この、『ヘッド・ファースト』と、『涙の旅路』の間にある、『素敵な君』がより楽しみになってきた。しかしこの頃、『素敵な君』は相変わらず少し高かった。ネットショップのミスを恨んだ。
そのとき安く中古で売っていたのが、『マジック・クリスチャン』だった。
アップル時代のアルバムな上、調べてみると、半分がバッドフィンガーの前身バンド、アイヴィーズの曲だと分かった。がっかりした。そんなのが最初のスタジオ・アルバム扱いされている!! ここにバッドフィンガーの不幸があるのでは!?  なんてことを思ったり。買ったんだけどね。だってほら、これでバッドフィンガーの奥深さが見えてくるかもしれないし……アップル時代もワーナー時代に引けを取らないくらいに楽しめるかもしれないし……。アルバム・カヴァーは美術部にいたときに見た画集の中の絵にありそうで少し格好いいし……。
そして流したのだよ。

何か初期にバッドフィンガーが曲をポール・マッカートニーに提供されたというのは知っていた。絶対これだと思った。冊子を見て。あーやっぱりだってこれポール・マッカートニーじゃん。後に『アンソロジー3』で出たヴァージョンを聞くと、そのまんまだということが分かる。

僕はポール・マッカートニーが好きである。そりゃ音楽が好きなのだが人もなぜか好きである(なんでだろうと自分でも思うことが割とちょくちょくとある)。だからこれで掴みはOKという具合だった。ショボい感じの曲という気もするのだが、それでもやはりポール・マッカートニーの曲の力を感じる曲であったからだ。
聞いていくと『ノー・ダイス』とか『ストレート・アップ』と比べると幾分か柔らかな感じがした。どちらかといえばそれよりも後の『涙の旅路』の方が近い感じがした(音質的には『ノー・ダイス』らのが近い感じがするが)。
そんなこともあってか、アップル時代のものではは一番のアルバムになった。しかし、なんだかかったるくなる瞬間があったためワーナー時代のものには敵わなかった。しかし、『ギヴ・イット・ア・トライ』と、『メイビー・トゥモロウ』というかなり好きな曲だった。特に後者はかなりお気に入りで、バッドフィンガーの曲に入れてもいいなら(アイヴィーズ時の曲なので)、一位でもいいかなと思うくらいであった。

また、この曲がトム・エヴァンスにより書かれたものだというのにも驚いた。僕の中で彼は、バッドフィンガーで二番手的な立ち位置にいたのだが、アイヴィーズの頃はエースとも言えるような曲を書いていたんだなと思った。
『アス』を手に入れたのはこの後すぐのことだ。『素敵な君』はまだ高かった。
(アルバム・カヴァーの写真は掲載できないとアメブロ側から言われた。ニンジンがアレだと判断されたのかしら……まったく俺はスケベなことしか考えないな)
『アス』は、アップルから出た最後のアルバムである。ということは、ワーナー時代の最初のアルバム、『涙の旅路』の前のアルバムということである。『アス』を見つけた僕は、それならいけるのではないかと思ったのだ(このとき、『ノー・ダイス』や『ストレート・アップ』も何回か流してそこそこ好きになっていたのも理由にあった)。しかしどうだろうか。『アス』は今まで聞いたバッドフィンガーの中で最低のアルバムだった。
アルバムの最初を飾る『アップル・オヴ・マイ・アイ』は嫌いじゃなかった。

だがその後が問題だった。そんなにアップルがゴタゴタとしていたのかと思えるような仕上がりだった。とにかく、『ストレート・アップ』の出涸らしのようなものが多いのである。
これで膿を全部出したと言わんばかりに、三ヶ月ほど後に出された、『涙の旅路』は素敵なアルバムだ。そして、『ストレート・アップ』と『アス』は点で結べる感じがするのに、『アス』と『涙の旅路』が結べない感じには驚いた。『アス』は生まれ変わるための一枚だったのかとも思う。
『素敵な君』は僕が最後に聞いたピート・ハム在籍時のスタジオ・アルバムだった。
(後に購入したレコード。マイク・ギビンズがなぜか一番目立つ)
僕はこれが届いたとき、「もしかしたら、これが一番最初に聞いたバッドフィンガーのアルバムになったかもしれないのだな」と思い、感慨深くなった。
これを聞いて僕は、「この後の『ヘッド・ファースト』のが好きだな」と思った。しかし、今ではバッドフィンガーのナンバー・ワン・アルバムである(あくまで聞いたことがあるアルバムの中でだが)。反対に、『ヘッド・ファースト』の好感は少し下がった(『レイ・ミー・ダウン』は変わらず好きな曲だが)。
恐らくそれは『ヘッド・ファースト』は少し飽きる曲が多かったが、『素敵な君』はそういった曲が少なかった(それどころか、流していくうちにより好きになる曲が多かった)せいであろう。
『素敵な君』は特に好きな曲が連続せず分散しているのもナンバー・ワンになった理由である。そうなっていると、そこまで好きじゃない曲で集中力を乱されても、特に好きな曲が再びやって来て……という具合に、アルバムに対しての集中力が続くのだ。こういうアルバムは僕の中では余り多くない。


『マジック・クリスチャン』から『ヘッド・ファースト』までのスタジオ・アルバムを揃えた僕は、次は何を買おうかと考えたとき、アイヴィーズのアルバムを買おうかと考えた。なぜかといえば、先ほど書いたように、『マジック・クリスチャン』に収録されていた『メイビー・トゥモロウ』はアイヴィーズの曲だったから。
しかし、現在僕の手持ちのCD/レコードは、今回のブログに載っているアルバムだけだ。アイヴィーズのアルバムの他、ピート・ハムが在籍していなかったときのアルバムもないし、彼がいたときのライヴ・アルバムもなければ、何枚かある彼のデモ・アルバムもない。なぜ? 集めている途中で他のアーティストのCD/レコードが欲しくなったからだ。そして、それは今も止まることがないからだ。じゃあバッドフィンガーは要らないのか? そういうことじゃない。しかし優先順位が低いのだ。それのせいでずいぶんと買っていないアーティストがある。要らなくはないけど優先順位が低い。というような。これは僕のブームがころころ変わるからだ。移り気なのだ。でも大丈夫。彼らは時間を超越した存在だから。きっと大丈夫。