知り合いの古書店主が、「先生、8Pの1頁三段組みの本を『読む』者は今時いませんよ。そんな本は、『調べる本』であって、『読む本』は、『新書』か、『文庫』になっています」と教えてくれました。

 なるほど、その通りで、私の場合も、これまでこのブログで書いてきた、『雑誌・講座・全集』みな、頭の中にある、読み手は国語教師が主でした。そして、『調べる』ための本として、目次や索引に注目してきたような気がします。

 

 では、個人全集はどうかということですが、組み方は一段でも、堅牢で分厚いものがほとんどですが、今日書く、岩波書店版『芥川龍之介全集』は、新書の型の本です。

 

 岩波書店版『芥川龍之介全集』全20巻 1954(昭和29)年~1955(昭和30)年 新書版で1頁二段組みです。

 

 この全集の特色は、月報はないのですが、第19巻の終わりに「年譜・作品年表・著作一覧・總目索引」が付いていること。

 そして、最後の第20巻が「芥川龍之介案内」として、著名な作家達の「芥川龍之介」に対しての評論が加わっていることでしょうか。

 

 私は大学2年の時に購入しました。卒論の材料ではなく、読む本として買ったように思っています。そのため、第一巻の表紙など半分破れかけていますが、愛着ひとしおの全集です。