昼食をとりながら、テレビを見ていて気になりました。

 

 勿論、今のご時世ですから、「コロナウィルス」の問題ですが、「バイキング」の司会者「坂上忍」が「首長」の意味で、「くびちょう」を連発していました。

 

 私は五年前、このブログで「くびちょう【首長】を立項しないでください」と書きました。その頃、辞書に立項されていたのは、『三省堂国語辞典』第7版ぐらいのものでした。

 

 以後、新しい辞書でどう立項されているか、調べていないのでわかりません。

 

 ただ、国民的辞書と称する『広辞苑』第7版(二〇一八年版)が立項しました。次がその説明です。

 

 くびーちょう【首長】 シュチョウ(首長)をシチョウ(市長)の音と区別するためにいう語。

 

 この説明はすでに間違っています。坂上忍は、自治体の長全体、知事も含めて使っているように思われますが、それはともかく、辞書やマスコミが、こんな語をどんどん増殖させていることに我慢がなりません。

 

 先日、ある歌舞伎役者が、「真逆」と言わないで、「真反対」と言ったことに感動しましたが、この「くびちょう」は「まぎゃく」の意味で許せません。

 

 辞書やマスコミが、「鑑」論、「鏡」論どちらをとっているか明々白々です。まず「鑑」をとること。八十五歳の老人は、彼ら、それに関わる人々に、日本語の未来を真剣に考えて欲しいと願っています。