今朝の「毎日新聞」朝刊の「季語刻々」ー坪内稔典を紹介します。
ーここから引用ー
八月や六日九日十五日 作者多数
小島健は雑誌「俳壇」8月号のエッセー「人生に効く、俳句」で今日の句を作者多数の作として話題にしている。いろんな人が同じ句を詠んでいるから。健は言う。
「この句を私は類句概念を超えた国民全員の俳句として共有したい」。
言うまでもなく6日は広島に、9日は長崎に原爆の投下された日。15日は終戦(敗戦)の日だ。
ーここまで引用ー
何よりも、今頃、坪内稔典が、この句をこんな形で取り上げるのが不思議です。
そして、小島健とは、何者か知りませんが、何を言っているのかさっぱりわかりません。「国民全員の俳句」なんて。標語とか、スローガンのことでしょうか。
私は二年前(2016・9・30)の「ブログ」で、櫂未知子さんの「『八月や』の謎」を読んでの感想を書きました。そして、小林良作さんのこの句の最初の作者は誰かを探る「衝撃レポート」を読んで、それが誰かを知りました。
2017年8月16日には、半藤一利さんが、この「八月や六日九日十五日」をある雑誌で見つけ、「思わず唸った。」と書きました。そして、「その作者名は書かないが、6日のヒロシマ、9日のナガサキとソ連軍の満州侵攻、15日の天皇放送と、日本敗戦のあのくそ暑かった夏を体験した高齢者が作者であるにちがいない。」と書きました。
この句の最初の作者、諫見(いさみ)勝則氏は、広島県の江田島で、原爆を見、そして、海軍兵学校の生徒として、八月十五日の終戦を経験。その後、故郷である長崎県に帰り、長崎医科大学に入学、医師になり、原爆患者の治療に当った方です。
私は、一昨年(2016)年9月30日のブログでこのことを書きました。そして、昨年(2017)年9月1日のブログでも書きました。
どなたか、半藤一利さんにこういったことを伝えたかなあ。
そして、小島健や坪内稔典さんは、こんなことを知らないのかなあと不思議に思った次第です。
暑い時期です。何が起こっても不思議ではありませんが、「俳人の勝手さ」は多少目に余ります。「パクったり、類句を勝手に許したり、国民全員の俳句だって」。