先日書いたように、相撲の全く分からなかった老妻も、「貴乃花が理事選で二票しか取れず、遠心力を発揮した」という情報ぐらいは理解したようです。
そこで、今朝、次のような文面を突きつけ、どんな意味かを聞いてみました。
ーここから引用ー(先週末、昼の番組で聞いていたのですが、正確を期すため、ネットの文面を使いました)
八角理事長の現体制に一貫して批判的な東国原は「今回ね、投票方式が記名方式で、突然変わりましたからね。今までは無記名だったんですけど。これが協会の体質をね、歴然と表していますよね」と、この日も協会を厳しく批判。
ーここまで引用ー
老妻に説明を求めたところ、「『理事選』の有権者である親方たちが、もともと、『自分の名前は書かなかった』のに、今度の投票から、『自分の名前を書くことになった』から、東国原英夫が怒っていること」というのが答えでした。
そう、まったく誤解しているわけです。
「では、その原因は?」ということになるのですが、私は今日、当該放送の地方局ですが、質問をしました。
回答をそれほど要求していないので、返ってくるかどうかわかりませんが、私なりに、この「老妻の誤解」になった原因を考えてみました。
まず、投票方法の内容についてです。
① 理事選の候補者の名前を書かず、印刷された候補者の名前にチェック(マーク)をする。
② 理事選の候補者の名前を投票用紙に書く。
続いて、その投票用紙に投票者が自分の名を書くかどうかです。
A 投票する者は、自分の名前を書かない。
B 投票者自身が自分の名を書く。
一 では、今度の理事選はどう行われたのでしょうか。「②・A」です。
二 これまでの理事選はどう行われたのでしょうか。「①・A」です。
三 この度の理事選を老妻はどう考えたのでしょうか。「②・B」あるいは「①・B」です。
四 老妻はどうこれまでの理事選をどう理解していたのでしょうか。「②・A」あるいは「①・A」です。
この整理でわかるように、東国原氏は「①」が「②」になったことを非難しています。
老妻は「B」が「A」に変わったと理解しています。
おそらく、この誤解は、東国原氏の発言中の「無記名」という、何も修飾句を付けない不用意な発言にあったのではないでしょうか。
むきめい【無記名】 (自分の)名前を書かないこと(『三省堂国語辞典』第七版)
むきめいとうひょう【無記名投票】 用紙に投票者の氏名を記さないでする投票(『広辞苑』第七版)
「無記名」とは、我々が「国政選挙」などで行うように、「自分の名前をまったく書かない」というのが辞書の解説であり、「日本語の意味」だったのです。それを何の修飾語もなく、東国原氏が「今までは無記名だったんですけど」と使ったために、「誤った解釈を聞くものに与えた」というのが私のこの「無理題」の解釈です。
因みに、三年の生徒に君たちがこれから参加する選挙はどのタイプかと訊ねたら、「②・A」だと間違いなく答えるでしょう。
相撲協会もこのことを意識して「改革」したのでしょうか。「筆跡で誰が誰に投票したかわかるではないか」という批判を受けながらでも。
つまらない日本語の分析、疲れました。