昨日、朝食をとりながらの老妻との会話です。
「少し前だけど、林真理子さんが『週刊文春』に書いた『校閲の話』、したよね。」
「そう、林真理子さんは『校閲』によって助かっているという話でしょう。それにしても、出版社はまったく反省しないなと、あなたはカンカンに怒っていた。」
「この毎日新聞に、林真理子さんの連載小説の誤りが出ているよ。」
「うそっ!私は毎日『我らがパラダイス』は読んでいるのに。気がつかなかったな。ちょっと待って。いつの新聞?探して、それを見つけてやるわ」
ーここから引用ー毎日新聞(11月6日『我らがパラダイス』より)
(前略)
ストレッチャーから、毛布ごと遺体をバンの後ろにおさめた。朝子と違って、慎一は遺体に慣れていない。いや、おそらく触れるのは初めてに違いなかった。顔をひきつらせて毛布の上の方を持ち上げる。
「腕曲げないように」
朝子は注意した。
「硬直始まると直らなくなるよ」
彼の肩がぴくっと動いた。
「それではありがとうございました」
車が動き出す時には、施設長はもちろん、二人の看護師も深々と頭を上げる。それは死者に対する礼儀で、朝子にも憶(おぼ)えがあった。
(以下略)
ーここまで引用(太字は稿者)ー
「わかった。それをどうわびているの?」
「どうぞ。」
ーここから引用ー毎日新聞(11月9日28面『おわびします』より)
6日の連載小説「我らがパラダイス」294回で、「二人の看護師も深々と頭を上げる」とあるのは「頭を下げる」の誤りでした。林真理子さんの原稿を毎日新聞で入力する際の誤りです。おわびして訂正します。
ーここまで引用ー
「これは、林真理子さんのミスではないのでしょう。新聞社の『係』が入力を誤り、『校閲』がサボった話でしょう。また、「週刊誌」にこのことを厳しく書くといいのよね」
毎日、いろんなことがあります。面白がっています。