先々週、ずっとかかりつけの内科で、一年に一回の血液検査を受けました。その結果は、1週間後というので、先週の火曜日出かけたところ、「本日休診」。昨日、また出かけました。今度はちゃんと呼ばれて、体重と血圧を看護師(看護婦)さんに測ってもらいながら、「先週はどうして休みだったの?」と訊くと、「開院二十五周年のお祝いだったのです」という答えでした。主治医は私より一回り若い先生です。「うーん、いつ頃開業したのかな」などと考えながら、呼ばれて診察室へ。「先生、二十五周年おめでとうございます」とまず挨拶し、いつものように診察。そして、血液検査は「まずまずです」という診断を得て、帰り際に、「先生もお元気で!」と思わず言ってしまいました。
 傍に付いていた看護婦が思わず、ぷっと吹き出したので、はじめて「しまった。先生にお元気でという患者はいないんだ」と気がついた次第。先生はすました顔で、「有り難うございます。」
 私は思わず赤面しました。

 閑話休題 と書いて、これでいいのかと、辞書を引きました。

 かんわきゅうだい【閑話休題】 むだ話をやめて、話を本論にもどす。類語 それはさておき。
 【注意】 誤って、本論の途中で、むだ話を始めるときのことばとして使う人が増えている。
                                         (三省堂版『例解新国語辞典』第八版)

 それはさておき、先の十月二十日、皇后さまの「傘寿のお祝い」の地方新聞の記事の敬語の使い方があまりにもひどいので、新聞社に抗議をしました。これはブログで報告しました。その直後、宮内省が「両陛下は、十二月四・五日広島の土砂災害の被害者を慰問される」と報じたので、老妻と、あるいは教えている生徒と、「広島地方の有力新聞である、中国新聞はどう敬語を使うか」と予想しました。

 老妻や、生徒は、「敬語をちゃんと使うよ」という、私は、「やはり駄目だろう」と予想しました。

 そして、今朝の中国新聞の記事でした。

 一面の書き出しだけ、書いておきます。

 ーここから引用ー

 「天皇、皇后両陛下は三日、広島市安佐南区を訪れ、八月二十日に起きた土砂災害の現場を視察し、被災者にお見舞いの言葉を掛けられた。四日は、来年の戦後七十年を前にした「慰霊の旅」の一環で、中区の平和記念公園を訪れる。両陛下の広島入りは一九九六年十月以来、十八年ぶり。」(太字稿者)

 ーここまで引用ー

 「これを見ろ」と私は、老妻に示したのですが、それ以後の文章の敬語法はめちゃくちゃ。述語だけを書くと、「出迎えを受けた」「聞かれた」「頭を下げられた」「聴き入られた」「いたわった」など。

 ところが、34面に関連する記事が掲載されていて、その述語は、「見舞いの言葉を掛けられた」「耳を傾けられた」「慰められた」「ねぎらわれた」「応えられた」と見事に敬語を使っています。

 結局、老妻や生徒と、私は「引き分け」でしたが、老妻の「地方の読者を大切に考えるとこうなるということでしょうが、相手を見て表現を変えるのはいやですね」というのが私たちの結論でした。

 「いい加減にしろ、地方新聞!」とやはりまた書いておきます。