散歩の途中で見る、「柿」と「栗」では、勢いが違います。
「栗」の方がはるかに優勢です。「日柿・水栗」といいます
が、今年は「水栗」の年なのでしょうか。それにしても、昔と
異なり、季節感がなくなったなという感じがします。季語に
よりかかった俳句はどう生き延びていくのか、毎日新聞の
坪内捻典『季語刻々』もまったくつまらなくなりました。小学
生の句など、丸谷さんや、私はまったく認めませんよ。(私
は素人であることを認めた上での、皮肉です)
新聞の広告欄に『東大のディープな日本史』中経出版が
ありました。その中に、「藤原道長は関白にならなかった」
という見出しがあったので、面白がって、手に入れました。
最近、入試問題で無理題が出る比率の一番は日本史だ
そうですが、さすがに東京大学は記述だから、(どんな採
点が行われるかわからず?)文句を付けようがない素晴
らしい問題だとありました。
「昨年(2011)、京都大学の入試でケータイを用いた不
正行為が発覚し、社会的な騒動となりましたが、東京大学
の先生方ならばこう言い放ったはずです。『カンニングは
許されない行為だが、そんなことをして合格出来るよう
な問題は出題していない』と。(太字は、稿者私ではあり
ませんよ。筆者相沢さんの仕業です)。その後に、括弧付
きで、「(京都大学の先生もそう言うべきでしたし、その資
格は十分にありました)」とありましたが本当かな。
私は日本史にそんないい問題があるはずがないと考え
る一人です。しかし、専門でないのでこれからその本をも
う少ししっかり読んでと思っているのですが。
私の興味は、その見出しの立て方でした。
第一章 古代
① 古代の朝廷はなぜ白村江の戦いに臨んだのか?
「なぜ…のか」という構文が日本語の構文として普通に
出てきます。
例の「なぜ…コレコレを飲みますか」という構文との違い
です。
「『東大のディープな日本史』二巻の内、小見出しは
40個ですが、『なぜ…のか』の構文は11個を数えました。
そして、「なぜ」と訊ねた設問で、「…のか」と対応しなか
った構文は0個、まったくありませんでした。
本の内容についてはまったくわかりません。ただ、東京
大学の日本史の問題がそんなにすぐれているとは、聞い
たこともありませんでしたので、多少違和感を覚えていま
すが、その小見出しの付け方は日本語の文脈に沿って
いるなと、まったく内容と関係のない無意味な確認をしま
した。
書評でも何でもないつまらない感想でした。