昨日の毎日新聞朝刊に、「後れれば人を制す」という文章が掲載されました。
早速、三年生の漢文の授業の枕に使いました。
「受身形」の復習です。
「先即制人、後則為人所制。」
先んずれば即ち人を制し、後るれば則ち人の制する所と為る。
「先発制人、後発制於人。」
先に発すれば人を制し、後れて発すれば人に制せらる。
ここまでは問題ありません。
では、これはどう読むか。
「先発制人、後発制人」
ここで、この日の朝の毎日新聞の記事をコピーして配りました。
「先に発すれば人を制し、後れて発すれば人を制す」
「リメンバー・パールハーバー」など、「ルーズベルト大統領の罠」に日本が引っかかって、大東亜戦争に敗れたなどという話にはキョトンとしていた生徒も、
スカボロー礁の主権をめぐる中国とフィリピンの紛争とか、尖閣諸島の日本と中国の領有権の問題とかには敏感に反応してくれました。
ただし、「中国が『後発制人』の布陣で来るなら、日本がやってはいけない最悪の選択は短兵急な先制攻撃だろう。日本人も戦略的後発という思想が必要だ」という金子秀俊氏(毎日新聞専門編集委員)の結論には、何を馬鹿なと反対する者が何人もいたことをここに書いておきます。
【追記】 もし、このブログを読んでくれている若い国語の先生がいたら、この枕を使ってくれませんか。生徒諸君がどんな反応を示してくれるか大いに関心があります。よろしくお願いします。