先日の、大恥をかいた話、「久しぶりにわかるブログを有難う。南極での『あなた』という電文、ネットで『南極・電報・あなた』で検索すると数えられないほど出てきますよ」というコメントが友人から届きました。


 慌てて、ネットで検索すると、その通り、数限りなく出てきたのには驚きました。


 有名な話だとは思っていましたが、こんなにみんなに知れ渡っている話を知ったかぶりをしてと「恥の上塗(うわぬ)り」をしでかしました。


 しかし、「世界一短いラブレター」という評はいいですね。日本語のすばらしさを示しているようにも思いました。


 その「アナタ」は電文でした。当時の電文は10字までが一定の金額で、それ以上になるとどんどん高くなっていったと記憶しています。だから、3字の電文が生きるわけです。


 そこで、連想したのが、大学入試の合格電報です。


 今は、受験生は、自分の大学入試の合否の確認をほとんでネットで行います。


 ところが、少し前までは、合否発表の掲示板を見に行くか、それができなければ、誰かに頼むしかありませんでした。


 学生会やサークルなどが、その受験生の見に行く代行をして、電報で知らせてくれるのが合格電報でした。


 この電文は経費の都合で、10字以内におさめなければなりませんでした。


 そこで、いろいろ工夫されたのが「詩的電文」と称されたものです。


 「毎年、春先になると、日本中に『暗号電報』が大量にとびかう。といっても、これは大学受験の合否電報である。

 自宅が遠くて、合格、不合格の発表を自分の目で確かめに行けない受験生のため、大学の学生自治会などが電報で自宅に知らせるのが大学合否電報だが、この電文が各大学の特色や大学所在地の地域性をしめす文句を入れた暗号ふうのものになっているのだ。


 『サクラチル』は、東大不合格の際の電文。この『…チル』は多くの大学に共通する不合格の暗号だが、各大学それぞれ花鳥風月を織り込んで、『詩情』を盛り込んでいる。


 たとえば、こんなぐあい。


 『ミチノクノユキフカシ』 東北大

 『ニホンカイナミタカシ』 富山大

 『シナノジハユキフカシ』 信州大


 一方、合格電報は、こうである。


 『オチャカオル』 お茶の水女子大

 『マリアノカネガナル』 長崎大

 『クジラガツレタ』 高知大


 さて、次の電報は合格電報でしょうか、不合格電報でしょうか。


 『サクラジマバクハツス』 鹿児島大」


 昔、昔のお話でした。