毎日毎日、分からないことばかりです。そして、その一つでも明らかに(自分がわかる程度に)なればと思っていますが、なかなかどうにもなりません。


 生まれ年の「えと(十干十二支)=乙亥(きのとい)」の同じ高一の生徒には、「黒板に、分からない数学の問題を三題書け。それができなければお前たちの将来はないぞ」などと叱咤激励していますが、ご本人は、「分からない三題が身の回りにあるか?冗談ではない、数百はあるな」と豪語する始末です。何もわかっていないことの裏返しです。


 先週、テレビで、「『ブログ』は略語ですが、何の略語ですか」というクイズが出て、慌てました。いつも「ブログ・ブログ」と書きながら、じつは何の略語かわからないなんて、恥です。


 早速、インターネットで検索すると、「Webーlog」の略だということまで分かりましたが、その「Web」が何かわかりません。結局、私のまわりの工具書では埒が明かないということがわかって、学校に出かけてやっとある答えを手に入れました。自分にわかる程度の答えは、身近な、普通の『国語辞典』(ただし新しい)にちゃんとありました。


 カタカナ日本語(外来語)が氾濫しています。この「ブログ」の親元からの指示も「メンテナンス」から始まってほとんどカタカナです。「もう結構」と言って、知らないふりを決め込んで丁度一ヶ月たった先日、急にアメブロに入ることが出来なくなり、慌てて専門家を呼びました。

 

 それよりはるかに古いカタカナ語の話です。


 私の母校(高校)に「記念祭歌」というのがあり、もう数十年も歌い継がれていますが、曲は「嗚呼玉杯」と同じだから、楠正一。作詞が誰か、いつから歌われたかわかりません。そこで、同窓会の方から依頼があり、探ることになりました。私達(昭和二十八年卒)は歌ったことがないというのもはっきりしていました。


 ヒントになる歌詞は二つ。


 「誠之の森の自治灯に 今宵灯ともす記念祭」

 「ボンファイアーの歌声に 我が青春をうそぶけば」


 「自治灯」はすぐ、旧制一高の寮歌の中に見つかりました。明治三十年代の「寮歌」では「自治」という言葉が氾濫しています。


 「五寮春今自治燈に 宵を灯ともす記念祭」 明治三十六年『緑もぞ濃き柏葉の』


 しかし、こんな昔から歌われていたはずがありません。我々が生徒の時には歌っていなかったのですから。


 その高校の『百三十年史』によると、「ボンファイアー」という言葉は昭和二十五年の記念祭から登場します。だから、少なくとも戦後(昭和二十年以後)です。私の工具書を探しましたが見つかりませんでした。


 市の中央図書館に出かけて工具書を探しましたが、見つかりませんでした。


 当の問題の作詞者は、旧制高校の生徒であり、その方面の知識に富む、しかも国語の教師ということで、名前を特定することが出来ました。問題は解決。


 が、私には「ボンファイアー」という語がどの辞書にも立項されていないということが驚きでした。なるほど、辞書には全てがあると思っていたがそうではないんだということを実感しました。


 どなたか、「ボンファイアー」が立項されている辞書があったら教えてください。