実は数年前から危惧されていたのですが、昨年の京大他、数大学のカンニング事件、そして、今年のセンター試験の混乱ぶり。


 大学側が、受験生の減少にあわせて、入試に対して緊張感を欠いているとしか思えない事態が多々生まれています。


 そして、今、受験生や保護者は、これから始まるほとんどの入学試験で、果たして公平に、正しく実力が評価されるのかという不安で一杯です。


 昨年度のカンニング事件、そして、今年のセンター試験など、外から見える混乱は、ある意味で公平さのかけ声の下に、いろいろ救済措置が取られることでしょう。文科省も報告を求めたりしているようです。


 しかし、見えないところでの、特に二次試験でのおかしな出題ー私はこれを「無理題」と呼んで取り上げてきましたが、それを根拠とした採点などにおいての不公平さはどうすればいいのでしょうか。


 私は、国語の、古文という、ほんとにせまい一分野についての、その実態を『「無理題」こそ「難題」』という小冊子で、取り上げてきましたが、その最後に次のように書いています。


 「この『無理題』の問題を解決するのに最も有効な手段は、『正解』を各大学が発表することだと思っています。」


 文科省にも何度もお願いしました。実は、文科省は、どれほどの大学が入試の正解を公表しているかさえ現在のところ調査していません。当然、実情を把握していません。


 捜査のあり方でさえ、「可視化」というかけ声で、見えるようになろうとする時代に、まったくの密室、そして、頭の悪い大学の教員(これまでいやになるほど書いてきました)の、入試を一段下に見た、聖域に住んでいる意識をこのまま黙視できましょうか。


 私の携わる「国語」について言えば、ぜひとも、正解を公表していただきたい、これしか、受験生の努力に報いる大学側の、その緊張を維持する方法はないと考えます。


 文科省にもぜひお願いします。大学に正解の公表を義務づけてください。


 本当に情けなく、恥ずかしい、ちっぽけな提案ですが。