一昨日、書いたブログにも感想はまったくありませんでした。残念ですがしかたないでしょう。老妻はあなたの考えを押しつけることはやめなさい、もう止めた方がいいですよと申します。しかし、しかし、「わからん」ということが多すぎます。毎日頭にくることばかりです。


 投稿された本文をもう一度ここに書きます。


      金では買えない“勝ち”       元中学教諭(57)

 以前勤務していた中学校の体育祭でのこと。クラス全員が参加する長縄跳び競技の時です。短パンにはき替えるのを忘れてジャージーで参加しようとするA君がいました。

 それを見かけた同僚の職員が言いました。

 「おいA! その服装で参加するとクラスが失格になるぞ! みんなに迷惑をかけてもいいのか」。それに対し、同じクラスのB君が「おいA! 一緒にやろう。同じクラスの仲間だろう」とちゅうちょしていたA君の背中を後押しするように声をかけました。これをきっかけに、A君はクラスの中に入っていきました。

 その年の体育祭のスローガンは「お金では買えない勝ち(価値)がある!」でした。その時のことはまさに「お金では買えない価値がある!」だったと今でも思っています。ルールを守らなければいけないが、仲間のことを思ったB君の言動が今も心の中に深く残っています。私もお金では買えないものを大切にしていきたいと思います。


 この投稿について、「みんなの広場」(毎日新聞朝刊)の係に電話をしました。内容は、「わからん」投稿であるがどう思うかということを伝えました。出て来た係はこの文章について、「わからん」ということがわからない、他にそんな意見を述べた投稿はない、もし疑問があるなら投稿してくれということでした。そこで、すぐ意見を書きました。投稿ではありません。意見書です。この文章がいかにわからないかを書きました。以下、それを示します。


 まず、「これをきっかけに、A君はクラスの中に入っていきました。」ということですが、その時、A君はどんな服装をしているかが問題です。


 1 「短パンにはき替えるのを忘れてジャージーで参加しようとするA君」とあります。「短パンにはき替えるのを忘れた」のなら、ジャージーは持っているのだから、すぐはき替えてジャージーで参加することも可能でしょう。


 しかし、ジャージーにはき替えて、そのままその競技が終わったなら、無事終了で、「ルールを守らなければいけないが、仲間のことを思ったB君の言動」はそれほど感動を呼ぶ行動とは言えないでしょう。「はき替えてこいよ」というぐらいのものです。何ら意味を持ちません。


 2 おそらく、ジャージーのまま、B君の後押しで参加したのでしょう。しかし、そうだとすると、他の職員が忠告したとおり、クラスは「失格」になったはずです。この事実を書かなければ、この文章は説得力をもちません。


 この文章は、以上のような点で「わからん」文章です。そして、それを添削するならば、「A君はクラスの中に入っていきました。」の直後に、「そのクラスは失格しました。」という一文が必要です。こうして初めてこの文は説得力をもつものと私は考えます。


 ただ、実際はどうだったかまったくわかりません。「みんなの広場」の係が怒って言うごとく、投稿者に訊いてみるしかありません。投稿者の住所もわからないしと言ったら、この旨、メールで「みんなの広場」の係に送れという指示でした。早速送りました。係が仲介をしてくれ、結果がどうだったか、楽しみにしています。ついでに、「失格」になった後の生徒の反応まで教えてくれればと期待しています。