昨日の答えは、「宮の御方の、嵐の夜の気味悪さに、亀山上皇から見放された身の上を特別悲しく思う気持ち」が傍線部の描写に表れているということでしょうか。
一人の男性(中将)の出現で、宮の御方とともにいる人々みんな喜びます。
【本文】
おはします母屋とあたれる廂の高欄におしかかりて、香染めのなよよかなる狩衣に、薄色の指貫うちふくだめるけしきにて、しめじめと物語しつつ、いたう更け行くまで、つくづくとさぶらひ給へば、御簾の中にも心づかひして、はかなきいらへなど聞ゆ。
【問題】
傍線部「はかなきいらへなど聞ゆ」の主語は誰か。次の中から一つ選べ。
ア 中務の宮の御むすめ イ 中将 ウ 人々 エ 侍 オ 法皇
(2010 早大ー国際教養)
【口訳】
宮のおられる母屋と接続している廂の間の高欄に(中将は)寄りかかって、香染めのしなやかな狩衣に、薄紫色の指貫をふっくらとさせた様子で、しんみりと話をして、たいそう夜が更けて行くまで、御前にじっと伺候しておられるので、御簾の中でも、宮は心づかいされてすこしは返事などなさる。
ここまでをお読みになった皆さんはこの答えを何だとお考えでしょうか。