受験シーズンです。新聞はさまざまなニュースを伝えています。

 その内、入試問題のミスがかなり多く伝えられています。

 

 今日の毎日新聞は大阪大、大阪教育大、香川大の出題ミスを伝えています。

 そして、そのすべてで、当該科目の選択者あるいは全員を正解とするという事後処理をするようです。

 しかし、ミスの事後処理としては、仕方がないことでしょうが、全員正解は決して公平な処理ではありません。


 例えば、2月4日の毎日新聞は神戸松蔭女子学院大の「国語」で出題ミスがあったと報じています。

 「問題は、『キ範』のカタカナ部分と同じ漢字を含む熟語を選択肢から一つ選ばせるものだったが、正解が二つあった。」


 よくできる生徒は、その二つの正解の間で悩むわけです。どちらにしようかと。

 その悩む心と、そして、どちらにするかを決めるためにロスする時間は、限られた制限時間の中で正解を決めねばならない受験生にとってとてつもなく大きなマイナスと言わざるを得ません。


 何も悩むことのないものもいます。一つしか思い当たらない連中です。

しかし、二つの正解の間で悩み、そして、それが他の設問にも影響する受験生がいることは確かです。


 全員正解は決して公平ではありません。


 こんな問題のことを「無理題」と私は呼び、こんな問題が出題されないように高校の教師はもっと強く主張すべきだと思っているわけです。


 私は、「国語」の教師です。新聞報道で明らかなように、「国語」や「英語」は、「化学」や「日本史」などより、言葉の問題の特異性に隠れて、ほとんど出題ミスを指摘されることがありません。聖域なのです。しかし、もっとひどい状況もあるのではないかと危惧しています。