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 この度、「『無理題』こそ『難題』」という題で、東京図書出版会から本を出すことにしました。現今の国語特に古文の入試問題の目に余る点を検証し、入試で、1点のために苦闘している受験生諸君にエールを送るためです。


 このブログはテーマを「『無理題』に遊ぶ」としましたが、「『「無理題」こそ「難題』」の内容に多少とも関わりあることを書こうと思い、ブログを始めました。しかし、その内容はどうしても小生の生きてきた過程での知的関心に関わる述懐にとどまり、広がることがありませんでした。今日からはもっと直接的に「無理題」について書こうと思います。


 2月9日、毎日新聞の記事に、某大学が、「誤った答えを正解としていた」として、「化学」の採点ミスを公表しています。これには驚くべき事実が書いてありました。「入試問題の検証を依頼した予備校から指摘があった」とありました。


 「正解」を誤るのは論外です。しかも、予備校の指摘を待つとは。情けないにもほどがあります。一生の問題として、大学入試を考えている受験生にとってはかなわないニュースでしょう。その大学は関西のS大学です。


 また、2月7日の毎日新聞の記事に、某大学が「正解が二つあった。どちらを選んでも正解とし、合否に影響はないとしている」として「日本史の出題ミス」を報じています。


 「両方正解とし、合否には影響ない」としていますが、これは安易な解決法に過ぎません。出来る受験生は二つの正解の間で、どちらを正解としようかと、時間をかけて悩むわけです。そのための時間と、集中力のロスをどう考えるか、両方を正解とするだけでは解決しません。両方を正解とするのは、まったく、出題者の逃げ道なのです。こんな道があるから、緊張感の欠けた出題を平気でするのです。大学の品格の問題です。関西の有名私大です。


 私は、こんな問題を「無理題」として、一般の人にも知ってもらいたいと思い、本を書きました。 


 「無理題」とは、正解がなかったり、正解が二つ以上ある問題のことをいいます。しかも、それぞれの主張に根拠がある必要があります。特に言葉を問題にする教科では、私はこう思うということが、自由に言いやすいから、しっかりした根拠が大切なのです。


 この「無理題」について、これから明らかにしてゆこうと思います。  



 例えば、何が「無理題」なのか。明日からそれを書こうと思っています。