プレブナー
2002年に接種表に加わって以来ずっと、プレブナ-ワクチン(PCV)は論争の的になってきました。プレブナーワクチンとは、strep
pheumoniaeとジフテリアのバクテリアを含むワクチンで、中耳炎と細菌性髄膜炎を予防する効果があるとして売られています。
このプレブナーワクチンの最も大きな問題点は、驚いたことに予防の対象になるのが大抵の場合ただの耳の痛みで終わってしまう中耳炎だということで
す。実際、乳児は皆一時的な耳の痛みを経験するものですし、そうした痛みは軽度で、大してひどくならずに1日、2日で治ってしまいます。2007年度の
PDRでさえ、90%の乳児が耳の痛みを経験すると記載しています。[251]
中耳炎の定義を見てみると「鼓膜の外観に異常に液体が溜まっていること」([251],
p3468)とされていて、驚いてしまうかもしれません。けれどこれは、赤ちゃんの耳の中を覗いてみると、鼓膜が赤くなっているのが見えるという意味で
す。こんな症状なら、ただ泣いた後でも起こります。このいわゆる中耳炎と呼ばれている症状を診断するのには、耳の中を覗いてみるだけで十分で、何の試験管
テストや血液検査も必要ではありません。そしてもし乳児にこの症状があっても、別に何の治療もいらないのです。
それなのにどうして、こんな軽い症状を予防するために、子供の血液を侵害したりする必要があるのでしょう?
こんなに必要性の薄いワクチンですが、では副作用はどんなものでしょうか?製薬会社による、実例の一部を挙げてみます。
発熱 アナフィラキシーショック
発作 じんましん
不心全 胃腸炎
湿疹 膣炎
ぜんそく 息づまり
肺炎(!) 結膜炎
(!) - 2007 PDR p3468 [251]
ちょっと待ってください。このワクチンを受けて起きる副作用が、中耳炎ですって?
それを予防するためのワクチンじゃなかったんですか?それから、肺炎?健康な子供の体にstrep
pheumoniaeなど注射して、肺炎を引き起こすかもしれないことくらい、判らなかったのでしょうか?その他の副作用反応だって、ずいぶん深刻な症状
があります。
製薬会社の記録している、元々の臨床検査の詳細を見てみると、接種を受けた者はその他の通常規定のワクチン全部も同時に接種したということです。
では、その他のワクチンの中で中耳炎を副作用に挙げているものは幾つあるでしょうか?答えは、5種類です。
ということはつまり、こうしたその他のワクチンの副作用反応に対応するために、新しくこのワクチンも接種する必要がある、という訳なのでしょう
か?どうも、その様です。この臨床検査を正しく行なおうとするならば、対象者のグループは皆、ワクチン接種を受けたことのない子供達にしなければいけな
かったはずですから。
ところで、この最初の臨床検査の結果、対象者のうち12人が死亡しています。
次に、プレブナーワクチンのセールスの凄いところは、合衆国ではごく非常に稀な病気である細菌性髄膜炎の予防を主張している点です。2007年度
のPDRには、この病気の発症率は「10万人に7人」([251] p3463) であると書いてあり、参考資料としてNew England
Journal of
Medicine誌の1997年10月2日付けの記事に載っている研究を挙げています。[143]しかし、そのNEJM誌の研究に書かれている数表を実際
に見てみると、細菌性髄膜炎は1万人に1人以下の発症率とされているではありませんか!(Schuchat [143], page
970) PDRのセールス部門の係りはおそらく、自分達の記載した参考資料を実際に調べてみる奴などいないだろうと思ったのでしょうし、まあそれは大体
の場合当たっているのですが...。
これで、次の2つのことがわかりました。
1. PDRの資料は、必ずしも絶対本当だと信じてはいけないこと
2. 細菌性髄膜炎は、彼らの主張している倍率より7倍も稀な発症率であること。
効能の証明
次の問題点であるプレブナーの効果面を見てみましょう。このワクチンには効果があるのでしょうか?英国人の教育者であるマイケル ホーウィンはこ
の問題点を真正面から見据えた、「Prevner: a critical review of a new childhood
vaccine」という非常に良く調べられた記事を書いています。[144]プレブナーワクチンの最初のいくつかの実験調査の結果では、このワクチンによ
る耳の痛みの発症予防効果はたった7%にしかなりませんでした。そして彼らの主張するプレブナーの最大の効能性は、このたった7%なのです。子供時代の軽
い耳の痛みのために、上記のような危険な副作用を伴うワクチンを、しかも効く可能性がたった7%しかないワクチンを接種するというわけです。
ホーウィンは又、プレブナー及びWywthAyerstワクチンを認可したFDAの顧問委員会の役員達と製薬会社との経済的な繋がりについて、詳
しい分析も載せています。彼は、世界的なツアー講義をしたり、莫大な研究資金を貰ったり薬学誌に何ページもの記事で取り上げられたりしている専門医達、つ
まり最も目に見えるプレブナー支持者である人たちが、実際どんな資金報酬を得ているかを、非常に明らかに示しています。この2者の親密関係を示した記事を
数分間読んだだけでも、この問題の全体像がかなりはっきりしてくるでしょう。[144]
癌と不妊症
発がん性を否定する文章は大抵こんな感じですが、製薬会社によるプレブナーの2007年度資料にはこう書かれています。「発がん性及び繁殖機能へ
の危害は判明していない。」([215]
p3467) つまりこれは、この必要性の薄いワクチンの接種を受けた子供が癌を引き起こしたり、その子が将来不妊症になったり生殖機能に障害を持ったり
するかどうかさえ、製薬会社側は知りませんよ、という意味です。全く凄い態度ですよね?
最後に、驚いてしまうかもしれませんが、プレブナーの臨床検査の数々は髄膜炎ではなく、中耳炎に関する検査であったことに気付かれましたか?髄膜
炎に関して言えば、PDRは効能がある、とさえ主張していません。それなのにCDCの宣伝文句では何の科学的根拠もなく、このワクチンが髄膜炎に効くと薦
めているのです。上記にあげた統計表は、ただのまやかしに過ぎないというわけです。ですから、国中の小児科セールス部門が揃って、プレブナーは中耳炎と髄
膜炎を予防するといっているのに反し、製薬会社側は髄膜炎の予防性に関する研究結果などは一度も掲載したことがないのです。これはただのセールス技であ
り、この主張にはなんの裏づけもありません。
そしてプレブナーが接種義務表に加わった当時、びっくりしてしまうことに推奨接種回数は最初から生後2、4、6、12ヶ月の4回とされていたので
す。さらに、生後2ヶ月の接種時には、なんと他の5種類のワクチン接種と同じ日に接種を行なっています!そして前に挙げたように、現在もこの接種指定表は
同じままで続いているのです。
「理論上の病気」の誕生
プレブナーワクチンの登場は、従来の接種指定ワクチンの考え方に、新たな風を吹き込みました-これからは、理論上の病気にもワクチンを薦めること
になったのです。今までは、MMRやDPT、肝炎や天然痘など、各自特有の病原菌が原因とされる通常の伝染病に対してワクチンが必要だとされていました
が、9/11事件後の現在では、もはや本物の病気でなくても、ワクチンが必要だということが出来るようになってしまいました。今ではただ、名前のラベルを
付けて、その後何かの危険性を宣伝すれば良いだけです。危険性は、どんなものでもOKです。
例えば、耳の鼓膜がちょっとの間赤くなった、というだけでも。