吐き出し口がないのでここで


この間、好きだった人と別れました。付き合った期間としては短かったけど

ほぼ、原因は私だけど、仕方がないです

心無い言葉を言われ、正直心がズタズタ
しんどいし、辛い

本当に好きだった分…なんだろよく分かんないけどショックでした。
まるで菌扱いするような感じで

泣き場所探しているうちに泣き疲れてしまいそう

失恋休暇とか欲しいわ

トイレ行っては泣いてって…仕事どころじゃないけど乗り切った!笑

そんなことがあったのに、それでも好きという気持ちや、会いたいという気持ちが消えないのはなんだか不思議です。

まぁ、ちゃんと好きだったんだろうなって思います。

あとは、時間と共に傷が癒えてくれたら…
そして落ち着いたら婚活でも始めようと思います。

恋愛って難しいね

お互いが想い合えるって誰でもできることなんだと思っていたけど、偏るだけでもバランスが崩れそうになる

好きだけじゃ、どうしようもないときもあると、経験になりました。

いつか会えた時、あの時は感情的になってしまって言い過ぎました、ごめんねって笑い合えたらいいなーと、少し思います。

ただ、尋常じゃない追っ払い方されたうえ、連絡手段が全て遮断された今、多分無理だろうけど

早く、泣くのがおさまって、心から笑いたい

でも、優しさや楽しかった思い出はいっぱいあって、向こうが忘れても、うちはきっと忘れないだろうな。一緒に過ごした日々は。


次の出会いに、いい未来があることを願うばかり
学校での昼休み
とうとう友人に好きな人がいることを告げてみることにした

つまり、これが俗に言う恋バナっていうやつなのだろうか

まさか自分がこのような話をする時がくるとは思いもしなかった

友人は聞いた瞬間、飲んでいた紙パックのりんご100%ジュースを吹きこぼし、その雫が自分の顔に直撃する

「ちょっ、顔にかかったんだけど」

ハンカチを取り出して顔を拭く

「ご、ごめん…びっくりしてさ」

友人がそう言うのも無理はない
何故なら、今まで恋の"こ"という字すら無縁だったはずの人が突然、好きな人がいると言ってきたのだから、相手からしたらなんの風の吹き回しだと思う訳である

「へ、へぇ…好きな人ねー。どこの人?」

その問に答えると、友達は"あ~、あの人か…"とだけ言って再びジュースを飲み始めた

そして短い沈黙の後、友人は口を開く

「んで?」

「へ?」

「へ?じゃなくて…それだけをわざわざ報告する為に言ったわけ?」

友人が何を伝えたいのかが分かった自分はいろいろと話した

恋をする素晴らしさやウキウキ感
そして、占い結果でも謳われているように今日がラッキーチャンスデイであること

ありとあらゆることを話終わると友人は少し吐息をもらす

「わかったわかった。聞いてると好きでたまらないみたいだし、いっそのことアタックしたら?」

"アタック"…同じ単語を聞いたのはこれで3回目になる
同日に3度も言われた

やはり、今日は絶好のチャンスなのかもしれないと何だか急に自信が湧いてきた
覚悟ができた気がする

そうと決まれば、呑気に昼食を食べている場合じゃない

勢いよく席を立った自分に、友人は驚いた表情を向ける

「え、もしかして今?ちょいまち!いくらなんでも――えっ!?話を聞けー!」

背後で友人が何やら叫んでる声をよそに、自分は教室を駆け出していた

そう、好きな人が廊下を歩いていたのが見えたからである
それを見た瞬間、本能が疼き出すのを感じた…"今だ"と

廊下に出ると、教室に入ろうとする想い人の姿が目に留まり、咄嗟に相手の苗字を呼んだ

突然、自分の姓名が廊下中に鳴り響いてくれたおかげで、ぴたりと停止しゆっくりとこちらに振り向いた
そして目が合う

胸の鼓動がやけにうるさく聴こえてくる

「何やって――っ!」

多分、友人が自分に対して叫んでいたのだろう
でも、心臓の音の方が大きすぎて何を言っていたのか分からない

今、目線が合っている
これだけでこんなにも緊張してしまうのなら、アタックはどうなってしまうのか…

「そ、そこにいて下さい!今からあなたに…あなたに気持ちを伝えます!どうか、受け止めてください!」

周りがざわざわと騒ぎだし始める
野次馬もどんどん集まり始めてきた
顔が熱くなってくるのが自分でも分かる

「…よしっ!」

小さく呟き、ゆっくりと呼吸しながら右足を床に落とす

そして勢いよく…


廊下を走った
相手の元へ、あの人の元へと
疾走する


視界に入る姿がだんだん大きくなり
そして――――

大きな音が廊下に響き渡り
ぶつかった衝撃で双方に弾き飛んだ

「――っ!」

身体が廊下の隅へとすべる

好きな人にアタックするというのは、結構身体を張るものだと多少の痛みをこらえながら思う

「バカかっ!アタックでもそのアタックな訳あるかっ!」

友人が近づいた同時に自分を詰る

そして、アタックの意味を改めて聞かされた自分はすぐに相手を見る

顔をしかめながらゆっくりと人に支えながら起き上がり、苦笑しつつ大丈夫と答えていた

自分は何てことをしてしまったのだろう

終わった
絶対に嫌われてしまった

産まれて始めての恋は綺麗に咲き乱れたにも関わらず、恋専用アタックについての意味さえも知らなかった自分の経験、知識不足によってあっけなく散ってしまったのだと感じた

さよなら恋よ

ひとときの幸せをありがとう

俯いて目を閉じ、両手に強く力を入れ拳をつくる

ああ、恋はなんて難しいのだろう…

……

……


「ねぇ」

突然、声をかけられた自分は思わず顔をあげた――――。





終わり







ビリリリ

「うむっ…」

ビリリリ

「むぅ~」

全く鳴り止む気配がない、耳障りな目覚まし時計の音を思いっきり叩く

ごそっ…

いつもの朝がやってくる
カーテンから差し込む朝陽に微かに聴こえるチュンチュンと鳴く鳥の声

カーテンを思いっきり開けば、更に光が自分自身を照らし出す

確かにいつもの朝だ。でも、見慣れた朝なのに最近は変わって見える

理由は分かっていた

――恋をしているから

「ん、いい朝。おはよう太陽、おはよう小鳥、おはよう空、おはよう地球!」

人は恋をするとこんなにも世界が変わって見えるなんて知らなかった

太陽の日差しさえ、スポットライトのように見えてしまう

恋をするって素敵だ
こんなことなら早くしとくべきだった

そう、なんたって恋心というのは自分にはかけ離れたものだと思っていたぐらいだからより一層この気持ちは際立つ

今日もあの人に会える

そう思うだけで、洗面台に向かう足も自然と浮きだつものだ

――――。

朝食を食べながら朝のニュース番組を見る。左上に表示されている星座ランキングに自然と目がいってしまう

「お、今日1位じゃん♪」

毎日適当に選ばれたに違いない占いでさえも信じてしまいそうになる

朝食を食べ終え、歯磨き中に番組恒例の血液型運勢占いの音楽が流れ、これもまた自然とテレビの方へと足が向く

前までは見向きも興味も示さなかったコーナ。ましてや、同じ血液型なんて世の中にどれだけいると思っているのかと考えるほどだったのに、今となっては自分に向けられた特別なアドバイスのよう感じられてしまう

「A型のあなたは、恋愛運が抜群。意中がいる人はアタックチャンス、これからの人は…」

既に好きな人がいる自分にとっては、あとの話はどうでもよい

「アタックか…」

確かに、あまり距離を縮められていない現状を考えると接近のチャンスである

「さすが、分かってるね」

そんなこんなしているうちに、とうに出る時間を過ぎていた

急いで家を出て駅へ向かい、なんとかギリギリ電車に乗り込み後ろで扉が閉まる直前、声が聴こえる

「ああー…」

振り向けば、男性が残念そうにしていた
恐らく間に合わなかったのだろう

自分がいなければ乗り込めたかもしれないのに…そんなことを考えると少し、いやちょっと…ほんのすこーしだけ申し訳なく感じる

空いた席に座っていると、女子高生2人組の1人が隣に腰を下ろし、1人は吊革に掴まって立った

座った女子高生が鞄から今どきの女性雑誌を取り出して、アイドルのページを開いてきゃっきゃと話す

更に捲られたページには誕生日占いが掲載されており、座っている子がもう一人の子の運勢月を確認する

「みき、誕生日10月だったよね?10月はね~」

あいにく自分の誕生日も10月だった
みきと呼ばれた子にとても感謝をしたい気分である

読み上げられる言葉を聞き逃さないように耳を立てた

「10月産まれのあなたは、今月の運気はにじゅうまる。あなたの知らないところでいい事をしているかも!特に恋愛運は抜群、意中がいる人はアタックするといいことありそうです。中には、あなたの事を気になってる人も現われるかもしれません。まだの人は~…」

これで2回目
今朝の占いコーナでもアタックと言われ、雑誌の運線でも同じ単語が出てきた
これは偶然だろうか?

「あ、しかも!ラッキーで今日だって!超タイムリーじゃ~ん☆」

ということは、アタックするなら今日が良いということになる
ただ、さすがに今日って急すぎるというか、心の準備ができない

ふと、想い人の顔が頭に浮かび胸がトクンと鳴る

「うっ……」

思わず胸元に手を当て、少し前かがみになってしまう
恋というのは、なんだか少し厄介である

「あの、大丈夫ですか?」

顔をあげると、吊革につかんでいる女子高生が心配そうにして自分を見下ろしていた
みきだ

「だ、大丈夫です。ちょっと厄介な病にかかってしまって…」

「え!病って…本当大丈夫ですか?辛いなら、次の駅で駅員呼びましょうか?」

なんて優しい人なんだろうかと素直にそう思った
こんな人がいたなんて世の中捨てたもんじゃない

「本当に平気です。次が降りる駅なので…」

「それならよかった。きついならちゃんと駅員さんに助けてもらってくださいね」

「ありがとう」

そして電車は止まり扉が開く
去り際に、彼女に軽く挨拶をして降りた

プシューと音を立てドアが閉まる
乗り込んだ時の事を思い出し、つい振り向く

「さすがに2度目はないか」

降り損ねた人がいなかったのが少し、いやちょっと…ほんのすこーしだけ残念に思った

そして、なんだかスキップしたい気持ちを抑えながら学校へと向かった



つづく