高千穂警察署に新人として配属されたのは、前回お話ししたとおり私だけでした。

初めての土地で、同期もいないというのは、正直なところ寂しかったですね。しかも、住む場所は官舎という警察官用のアパート。そこで、去年配属された1期上の先輩と同じ部屋で同棲生活を送ることに…。これは本当に嫌でした。しかも、私が割り当てられたのは3部屋ある中で一番狭い部屋(笑)。

 

高千穂署での勤務は、基本的には平和な日々が続きました。事件らしい事件はほとんどありません。ただ、自殺が非常に多かったのが印象的です。高千穂には高い場所にかかる橋が多く、かつては自殺の名所にもなっていたんです。今では橋に自殺防止フェンスが設置されて、件数が激減したそうです。登山シーズンになると遭難もあり、そのたびに山を駆け登って捜索活動をしていました。

 

他には、交通取り締まりをよく行っていたので、交通違反の切符をたくさん切りました。これが理由で、何度か表彰状をいただくこともありました。狙っていたわけではなかったので、ちょっとしたサプライズですね。

 

ただ、高千穂での勤務を続ける中で、徐々に「民間企業に行きたい、社長になりたい」という気持ちが強くなっていきました。仕事自体は、交通事故を防ぎ、パトロールで事件の抑止につながるという意義あるものでしたが、私はこの仕事を長く続けられる自信がありませんでした

その理由は大きく2つあります。1つ目は、いくら頑張っても給与に反映されることがほとんどないということ。2つ目は、仕事上接する相手が被害者や加害者、ご遺族という辛い場面が多いということです。もっと楽しく仕事をしながら、給与でも評価されたいという気持ちが、どんどん大きくなっていきました。

 

そんなときに、1歳下の弟が1年間の就職浪人を経て公務員試験に合格。しかも宮崎県警察官になったんです(笑)。これで私は祖父との約束を果たしたと感じ、警察官を退官する決意を固めました。

 

次回は、私が高千穂ムラたびへの転職についてお話しします。どうぞお楽しみに。

 

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