ハレ着てぇ言葉がある、ハレの日に着る着物。ハレの日てぇのは正月・節句に結婚式や何かの祝い事の日。
神社の祭りはハレの日の代表みたいなもん、その日には神様に敬意を表してそれなりの衣装を身にまとうのが、礼儀というもんである。
てんで、先日の築地波除神社の祭りには、それにふさわしい形(なり)をして出かけた。
彼方此方歩き廻って帰って来た時の形(なり)が御覧の写真。肩にアタシの名の大紋を染めた、半纏をかけている。
陽気が暑くなければ、波除さんの半纏の上に手前の半纏を重ねるつもりだった。
この日は鳥越神社でも祭りがあった、久しぶりにチョイ覗いてみようかな、なんて思ったが、もしそうなったときは、この半纏のままでは具合が悪い、てんで手前の半纏を羽織れば良い・・・・。
この築地波除神社宮元の半纏は、馴染みの店の御仁が誂えてくれたもの。ハレの日にそれを着て行くのが、礼儀というもんである・・・・。
何時もは色を外した三尺を〆るが、この日は藍の算盤玉。この三尺だと、後ろに扇子を挟むと落としてしまいそうなので、合切袋に入れたままにした。
半纏の下は煉瓦の股引に散り松葉の鯉口、カラス足袋に千鳥の雪駄。
昔はハレ着とまではいかなくても、よそ行きなんてぇ呼び方の服を着た。チョイと電車に乗って買い物に行く時とか、よそ様にお及ばれに行く時、普段着ない買ったばかりの綺麗な服を着たもんだった。
生活をする中でも、改まったハレの日と、いつも通りの日常のケの日との違いが今よりはっきりしており、それに合わせて着る物も分けていたのである。
そこ行くってぇと、昨今は着る物にもメリハリがなく、安かろう悪かろうの誰もが来ているような服を着て、出歩く御仁が多くなった。
どちらさんも街中で、振り返って見るような、センスのいい服を着た御仁に出会いますか?昔はそんな素敵な御仁が居たが、今はあまりの薄汚さに、思わず振り返ってしまうような着物姿なら沢山いますが・・・・。
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