京都貴船の老舗旅館で、２分経つと“元に戻ってしまう”タイムループに巻き込まれた人々が繰り広げる、愉快なてんやわんや
京都・貴船の⽼舗料理旅館「ふじや」。
仲居のミコト（藤谷理子）は、仕事の合間にぼんやりと、別館裏の貴船川のほとりで佇んでいた。名前を呼ばれて中へ戻り、番頭（永野宗典）と部屋の片付けを済ませたり、客の相手をしたりと仕事をこなしていたのだが、ふと気がつくと再び貴船川のほとりに立っていた。不審に思いながら再び建物の中に入り、番頭と一緒に部屋の片付けに向かうが、二人とも強い既視感に襲われていることを認識し合う。違和感の中さっきと同じように仕事をこなしていくと、またミコトは貴船川のほとりに戻っている。
再び中へ戻ると、番頭や仲居、板前連中に宿泊客達も皆、異変を感じていた。ずっと熱くならない熱燗。食べても食べても減らないシメの雑炊。いつまでもあがることのできない⾵呂…
どうやら、「ふじや」全体が２分間隔でループしている模様。２分経つと時間が巻き戻り、全員元いたところに戻ってしまう。しかし、各自の“２分間の記憶”だけは残っていた…
２分経つと“スタートライン”に戻るという現象を続けたい人、そこから抜け出したい人、その２分間を“楽しむ人”が錯綜し、混乱しながら、ひたすら繰り返される２分間のすったもんだ
タイムループの“原因”を探っていくと、なんだかロマンチックな展開が待っていた…と思ったら、なんとも“トボけた”話になったり
知る人ぞ知る「キン・ザ・ザ」的シーンにほっこり
可笑しく可愛らしい、小作品ながらなかなかどうしてエンタメとして大いに楽しい、ライト・コメディの佳作
2023年／日本
監督：山口淳太
出演：藤谷理子、鳥越裕貴、永野宗典、角田貴志、酒井善史、諏訪雅、石田剛太、中川晴樹、土佐和成、早織、久保史緒里、本上まなみ、近藤芳正