新刊先読み トクホのコーラは強制連関 | 村山涼一のマーケティング備忘録

村山涼一のマーケティング備忘録

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・キリンビバレッジの「キリンメッツコーラ」

 キリンメッツコーラは、特定保健用食品の認定をとった、通称、トクホのコーラです。発売2か月で、200万ケースを突破し、供給が追いつかないほどヒットしました。この商品は、難消化性デキストリンという食物繊維成分を使い、食事の際の脂肪の吸収を抑えることが特徴です。


 商品の開発にあたっては、炭酸飲料の好調に目をつけたそうです。そこで調査をかけて、「無果汁で透明な炭酸飲料」「果汁入りで透明な炭酸飲料」「果汁入りで透明でない炭酸飲料」「コーラ」というリストの中から、トクホとして飲んでみたいものを選んでもらいました。


 事前の予想では、あまり健康的なイメージがないコーラとトクホは結びつかないだろうと考えましたが、結果としては、半数がコーラを希望しました。


これはハンバーガーやピザなどのファストフードと一緒にコーラを飲みたいのですが、健康のためにがまんしているという30代が多いからだそうです。


ジャンクフードには、コーラが合うのですが、健康のために控えている大人はたくさんいます。しかし、コーラを飲むことで脂肪を吸収しないのなら、「ジャンクフードのおいしさ」「コーラのおいしさ」「脂肪を吸収しない=太らない」というすべての望みをかなえられます。


 この意外なニーズを、コーラとトクホという強制連関で充たしたから、ヒットにつながったのでしょう。コーラ=「ジャンクなおいしさ」、トクホ=「脂肪の吸収を抑える」という強制連関が生み出した、「おいしくて、脂肪の吸収も抑える」というコンセプトが成功したのです。