シニアにシフトせよ。しかし・・・ | 村山涼一のマーケティング備忘録

村山涼一のマーケティング備忘録

日々のマーケティングについて得た知識、考えたことの備忘録

【要旨】



高齢者の求める商品やサービスを企業が開拓することがデフレ脱却に寄与するとの見方が出てきた。



シニア層は消費の主役になりつつあるが、企業の主なターゲットは若者や4050代向けで高齢者の好みに合わない。



シニア層には旅行など余暇活動や衣料品で1年間に6兆円超の需要が眠るとの試算もあるだけに、一部の企業は動き出した。



【データ】



国民の4人に1人が65歳以上の日本。年齢層ごとにみた個人消費で「65歳以上」の比率は約30%に上る。あと数年で「4059歳」を抜き、トップになるのは確実。シニア層が消費の主役になる時代は間近に迫る。



三菱総合研究所によれば、シニア層の潜在的な需要は、衣料品で2.4兆円、旅行など余暇活動で4兆円に上る。



住宅リフォームでも数兆円規模の需要が眠っているという。企業がこの一部を捉えるだけで、日本経済全体で約10兆円とされる需給ギャップの相当部分が埋まる計算だ。



三菱総研が65歳以上を対象に1カ月の被服費として「使ってもよい金額」を聞いたところ、実際に使っている6千~7千円程度の倍近い金額を答えた。「高齢者が好むデザインや体形に合う服はまだ少ない。ニーズを満たせば倍のお金を使ってくれる」(柏谷泰隆・主席専門部長)



【シニアへの対応】



日銀は8月のリポートで「企業が変化に十分対応できていない」と産業界に異例の注文をつけた。



 シニア層の欲しいモノがなく消費が盛り上がらなければ、需要が供給力を下回る「需給ギャップ」が生まれやすい。余った商品を無理に売ろうと値下げ競争に走ることがデフレの一因になる。シニア消費は脱デフレのカギを握るとみる。



【事例】



-外食大手ワタミは退職後のシニア向け居酒屋「炭旬(すみしゅん)」を展開している。シニア層になじみのある昭和の時代を想起させる内装や店員と客の会話を増やすなどの工夫を凝らした。シニア層は安さより品質を重視するとされ、客単価は3千円と同社の他の居酒屋より1割高い。



-旅行最大手のJTBは8月、70歳代を対象にしたツアー「ゆとり紀行」を販売した。歩く距離を短くした観光ルートを設定したり、出発や到着時間に余裕を持たせたりしてシニア層に配慮した。料金は国内2泊3日で15万円前後と通常より高めにした。



【問題点】



こうした企業はまだ一部。理由のひとつは、消費の旺盛な新興国での事業戦略を優先する企業が多いことだ。日本で65歳以上の人口は20年に3600万人と現在の1.2倍に増えるが、アジアの若者や壮年は約25億人と桁違いの規模だ。



以上、日経朝刊。



シニア層への対応のいちばん彼らの興味とかけ離れた現状となっていることだ。世の中は清貧、それに対してヒットは異形。



私の亡くなった母がそうだったが、年を取って平穏を望むシニアに、マスもネットも、その要望をかなえていない。メーカーも、出版さえもそうかも知れない。



しかし世の中は彼らの望む形になっているので、消費にまわさず、相続に回そうと考える人が増えているのはよく分かる。