なぜセブンはチルドPBを高価格化できたのか? | 村山涼一のマーケティング備忘録

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コンビニエンスストア大手のローソンは31日、高価格帯のプライベートブランド食品を発売する。




シチューやカレーなどチルド(冷蔵)食品で、1人前で258~378円と同社の既存PBの3倍前後の価格設定にする。同様のPBを展開しているセブン―イレブン・ジャパンに対抗し、より高品質の商品を求める顧客層を開拓する。




31日にまず関東の店舗で発売し、6月上旬に全国に広げる。「デリシャスビーフシチュー」「デリシャスハンバーグ」など3種で、昨夏に導入した主婦向けPB「ローソンセレクト」の一分野と位置付ける。




ハンバーグとカレーは、同社が105円均一で展開する低価格PB「バリューライン」でもレトルト食品で扱っている。今回のチルド食品では肉などの質を高め、比較的低温で調理して食感を向上させた。




ローソンセレクトは調味料や日用品などスーパーに対抗した商品が中心。2011年2月期末で約60品目だったが、5月末には約100品目に増強する。今期はバリューラインと合わせた売上高構成比を、前期比2倍超の6%に高める考えだ。




コンビニの高価格PBでは、セブンイレブンが昨年9月「セブンプレミアム・ゴールド」を発売。今月からブランド名を「セブンゴールド」に変え、ビーフシチュー(398円)など4品目を展開している。




以上、日経電子版。




この戦略の背景は、外食はよろしくないが、中食はいい。セブンがプレミアムプライシング戦略で好調なのを受けてのこと。




なぜセブンはチルドPBを高価格化できたのか。




セプンがIYとの連動で低価格PBをやったのは、CVSは高いというイメージの払拭と、実質うまいということで習慣購買化させることだったのだろう。




この目論見は成功し、従来からの利便性も手伝い、スーパーへ行く顧客をつかまえることができた。




さらに、セブンで中食という購買を習慣化させた顧客に、弁当よりも安く、かつ、よりおいしい中食というポジションを考えた。




購買のモードとしては、確かに安いがあまりおいしいとは言えないPB以上で、ごはんがない分、うまくてお値打ちなPB、これなら満足度は高いかも知れないというところだろうか。