今回の記事は、もしも実用化できたならば、確実に人類の未来を変えてしまうことになる”核融合発電”の話です。

 

核融合発電とは、簡単に言ってしまうと「小型の太陽をテクノロジーとして地上に作って、そのエネルギーによって行う発電」のことです。

 

したがって、最も難しいのは、その太陽を作り出すことで、…次に難しいのは、作った太陽を核融合炉という入れ物に閉じ込めておくことで、…その次に難しいのは、核融合炉に閉じ込めたまま、発電に必要なエネルギーを効率よく外に取り出すことになります。


3・11における福島第一原子力発電所の事故を経験している私たち日本人にとって、将来原発に代わって、原発よりもはるかに大きなエネルギーを社会に提供することになるかもしれない核融合発電は、人類を救う夢のテクノロジーというよりは、将来起こる致命的な事故によって人類を滅ぼすことになりかねない災厄の種に見えているかもしれませんが、現時点で多くの人たちが持っているそうした核融合発電に対する漠然としたイメージは、まったく科学的根拠のない『非科学的妄想』に近いものなので、そのイメージはとりあえず一旦横に置いておいもらって、これから書いていく最低限の科学的な根拠を持った核融合発電の記事を読んでいただき、そうして深めた知見を自らの理性の中に落とし込んでいただけたらいいなと思っています。


核融合発電がテクノロジーとして今後どう発展し、どう社会を変えていくかは、私たちの思いや意見とは全く関係ないところで進んで行く話です。

 

したがって私たちが核融合発電のことを詳しく知って、何をどう考えたところで、「無駄なことだ」という話になります。


しかし、そうだとしても、もしそれが本当に人類の未来に僅かでも希望の光を見せてくれるような科学的根拠を持ったものだったとしたら、それを知ったうえで明るい未来を夢を見て生きた方が精神衛生上も遥かにいいことなので、そのための一助となることを願ってこの記事を書いているところです。

 


核融合発電というテクノロジーについてまず皆さんに知って欲しいことは、それが、私たちが知っている今までの原子力発電とは全く違う安全性や可能性が担保されたテクノロジーだということです。

 

核分裂を利用した従来の原子力発電と、核融合を利用した原子力発電の最も大きな違いは、三つあります。

その一つは、核融合発電は核分裂を使った原発とは違い「チェルノブイリや3・11の時の福島第一原発のような重大な事故を起こす可能性はないと考えられているテクノロジーだ」ということであり、もう一つは、核分裂を使った原発とは違い「無害化するのに何万年もかかってしまうような高レベル放射性廃棄物を全く生み出さない(およそ100年でほぼ無害になる低レベル放射性廃棄物は少しだけ生み出します)テクノロジーだ」という点であり、核融合の燃料はほぼ無尽蔵に(何億年分も)あるという点です。


とはいうものの「核融合発電が原発のような事故を起こさないなどという話は信じられない」と思っている人がほとんどだと思うので、これから、なぜ核融合発電が重大な原発事故を起こさないと考えられているかについて解説していきます。

核分裂を使った原子力発電が、なぜチェルノブイリや福島第一原発のような制御不能の重大な事故を起こしたかというと、原発(の原子炉)で起こっている核分裂は人間が暴走しないように制御してやらない限り勝手に暴走するものだからです。

つまり、今世界中で稼働している原発というものは、一旦原子炉で核分裂を起こして発電を始めたら、どんなことがあっても核分裂を人間が事前に用意しておいた制御システムを使ってコントロールし続けなければ、核分裂を暴走させて核爆弾化するものだということです。

 

普通のテクノロジーには、作動を停止させるためのボタンやスイッチが必ず存在します。


しかし、現存している原発には原子炉の核分裂を停止させるスイッチもなければ、その手段もありません。

 

それがなぜかと言うと、原子炉内の核分裂は、「一個の原子核が一個の中性子によって二つに分裂させられ、その時2~3個の中性子を放出するため、その中性子によってさらに2~3個の原子核が二つに分裂し、それによってさらに4~9個の中性子が放出され・・・」というように勝手に連鎖反応していくものだからです。

 

 

これに対して核融合発電は、燃料となる水素原子に人間が大きなエネルギーや圧力をかけ続けていなければ核融合炉の原子は核融合しないものなので、何らかのトラブルによって原発のシステムの重要なもののどれか一つでも止まった時点で、核融合炉内にあるすべての燃料の核融合も自動的に止まってしまうものなのです。

 

これが、本物の太陽と、人間が原子核融合炉内で作りだす小型の太陽との最も大きな違いになります。

 

本物の太陽の内部で起こっている核融合は、太陽の質量によって生み出されている2400億気圧の圧力と、1600万度の高温によって起こっています。


太陽の核融合は太陽が持っている質量によって起こっているものなので、何もしないでもこのまま何十億年も続いていきます。


しかし、人間が起こす核融合は、人間が原子に与えるエネルギーによって起こるものなので、そのエネルギーを与え続けない限り一瞬で止まってしまいます。

 

逆に言えば、それだけ安全なものであるということです。


その反面、実用化は未だ「遠い未来の話」という域を出ていないほど、多くの困難を今後クリアしていかなければならないテクノロジーでもあるということなのです。

 

しかし2022年12月13れまでは「夢物語」の域を出ていなかった核融合発電が、時間はかかるかもしれないが、いずれは実用化されるだろうと考えられるテクノロジーに昇格する出来事が起こりました。

 

その出来事とは、アメリカエネルギー省がこの日「ローレンス・リバモア国立研究所で実施した核融合実験で、核融合を起こすために使ったエネルギーよりも多くのエネルギーを取り出せた」と発表したことです。

 

逆に言えばそれは、今までは核融合炉内で核融合は起こせていたが、核融合を起こすために使ったエネルギーよりも多くのエネルギーを取り出せたことは一度もなかった」ということなのですが、この実験によって、核融合発電が石油に代わるエネルギー源として実用化できる可能性を持ったものであることが証明されたということなのです。

 

そのため、この頃を境に、世界中で核融合関連のスタートアップ企業の創立や、そこへの大規模な(数千億円レベルの)投資も目に見えて増えています。


私たちにとって嬉しいことの一つには、この分野(二つある核融合方式の両方と、核融合発電の実用化までのつなぎとなる、安全性を格段に高めた新たな方式の原発や、トラックで運べるほど小型化した小型原発を含むすべての原発の分野)でトップを走っているのは日本の研究者や日本の企業や日本の技術者だということです。
(テクノロジーの部品に精度が要求されればされるほど、それを作れる民族は日本人しかいなくなっていきます)

 

三菱重工業が2040年の実用を目指して開発を進めているマイクロ炉 ↓ です。

トラックで運べる大きさの超小型原子炉。離島やへき地、災害時などの電源を想定していて、寿命は25年で、その間燃料の交換は不要とのことです。

           

次の記事では、具体的な核融合発電のメカニズムや周辺事情と、安全性を以前とは比較にならないほど高めた新たな原発についての詳細を紹介していきます。

 

その後には、量子力学のスピンという概念から生み出された、まったく新しい(もし実用化できれば、燃料がほとんどいらなくなるという)量子エンジンについても解説していきます。

ちなみに、この量子エンジンも、沖縄科学技術大学院大学(OIST)という日本の私立大学の研究者らが、世界で初めて量子力学の原理を利用した画期的な「量子エンジン」として設計・製作に成功したものです。

 

第二次世界大戦における、日本の戦艦や戦闘機などの研究開発製造技術が世界のトップだったように、量子力学や原子核物理学などにおいても、他のすべてのハイテクの理論や開発においても、日本は常にトップでした。

 

しかしそうした理論や技術や設計のほとんどは、日本人に成りすました輩や政治家たちによって、他国に盗み出されて現在に至っています。

 

日本が、戦前戦後を通して、いかに物理学における世界のトップにいたかは車椅子の天才物理学者として知られているホーキング博士が日本に来たとき(ホーキング博士は2001年東京大学安田講堂で一般公演を行っています)「なぜ日本に来て下さったのですか?」という質問に対する、以下の言葉が物語っています。

ホーキング博士は翻訳機械を通してこう言ったのです。
「アインシュタイン博士の本に『この先我々のライバルになるのは、おそらく日本だろう』と書いてあったからです」

 

 

私が出版したこちらの電子書籍もよろしく。(*^▽^*)/~~

          ↓

 

Amazon.co.jp: 相対性理論 量子力学 ヴェーダーンタで読み解く 宇宙と実在 電子書籍: 村中野山: Kindleストア

             

 

今回の記事は以上です。

 

みんな幸せになりますように。

サイラム<(_ _)>