貴女に褒められたくて 「近代の歌」の142 三条実美(さんじょうさねとみ)   11362 | 何時か何処かでのブログ

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 今日紹介する歌は、

 

 秋きぬとおちたる桐の一葉にもまづこぼるゝは涙なりけり

 (梨のかた枝)

 

 作者は三条実美(さんじょうさねとみ)。

 天保八年(1837)~明治二十四年(1891)。

 幕末・明治時代前期の公卿・政治家。

 七卿落ちの一人として長州に逃れる。

 維新後は、

 議定・副総裁・輔相などの要職を経て、

 太政大臣、

 後に内大臣、

 

 

 尊攘派の実美(作者)は、

 

 文久三年(1863)八月十八日の政変により京都を追われ、

 

 長州そして大宰府の延寿王院に移った。

 

 暫しの間と思っていた仮の住処での生活が、

 

 一年また一年と延びゆく哀しさを、

 

 秋の訪れを告げる桐の落葉に託して詠む。

 

 同時期に、

 

 「まさきくて旅にはありと都なるわぎへに告げよ秋の初かぜ」がある。

 

  ・・・・・・・・・

 

 私の愛する私の全てであり私だけの掛け替えのないえむえぬ様に。