大江健三郎の”芽むしり仔撃ち”を読み終えました。
購入した当初”芽むしり仔撃ち”という題名の意味が
全く分からなかったのですが、
悪い芽は子供の内に叩き潰す、という意味の題名だったようです。
戦時中に感化院に収容されていた少年たちと
閉鎖的な村人達とのヒューマンドラマなのですが
子供達の大人の理不尽に対する怒りが表現されていて
読み応えが有りました。
村人が疫病の流行を恐れて少年たちを閉じ込めるのですが
現代も新型コロナが流行したので、そういったことも含めて
考えさせられました。
最後、主人公の少年を騙して、村人が突如襲い掛かるシーンで
物語が完了するのですが、結果的に主人公は逃げ切れたのか、
もしくは殺されたのか、結果が描かれていないので、今も気になっています。
作者は想像力のみでこの作品を書き上げたそうなので凄いと感じます。