僕がこの曲をライブステージで最後に観たのはもう丸々2年以上も前、武道館のステージで、でした。
昨年のホール・アリーナツアーの前半、ホールツアーの中では披露されていたこの曲は、アリーナツアーとなってからたしか「セラガ」と入れ替わるようにしてセットリストから消えます。

Perfumeのブレイクが「ポリリズム」一発で終わらず、本物である事を決定づけたガーリーハウスの傑作。
メンバー三人それぞれに見せ場のある、自己紹介的ダンスとボーカルパートの割り振り。
甘く、切なく、少しだけ届かない相手との距離。
その不安さをかしゆかの頼りなげな声が、いつかその距離を乗り越えていくだろう力強い姿をのっちのまっすぐな声が歌い、寒い夜に暖かい部屋の中へ迎え入れるようにあ~ちゃんの声がこの曲で描かれる世界全体を優しく包みこんでいます。

今回紹介する動画は、2008年2月12日に渋谷AXで行われた

Perfume~ソックス フィックス マックス

で披露された「Baby cruising Love」。
DVD化されていないこの動画の中のパフォーマンスが、今のところ、この曲のベストパフォーマンスだと、個人的には思っています。
個人的な感想なのでこれといった確かな根拠はないのですが、無理やりひねくり出してみるとすれば、まずリリースされてからまだ一ヶ月ほどで、ダンスをMIKIKOさんの振り付け通りに忠実に踊っている時期であること、三人の靴のヒールがまだそれほど高くはなっていないこと、が理由として挙げられます。

Perfumeも人の子ですから、いつもコリコリと音がしそうなほど緩みのないダンスをする、というわけもなく、歌い慣れた曲の中にはシャキシャキとした新鮮な野菜みたいな歯応え、緊張感が失われ、その代わりに「みんな楽しんでね」みたいなフレンドリーな雰囲気に変わっていくものもあります。
ライブでの披露が続けば、いつか大きな舞台を前にしてMIKIKOさんからの再チェックが入るのですが、それまでは少しずつ。

あとは、やはりのっちの神がかり的なパフォーマンスが観られる2008年の動画であることも大きいかな、という気もするし、BPMは速めでも分かりやすいテンポ、ということもあってか、三人の音の取り方がくっきりとしているように感じます。

現在では三人の成長に合わせてMIKIKOさんからの演出上の要求が厳しくなってみんな大変そうなんですが、ちょっと肩の力を抜いても成立するようなダンス、例えば「無重力」みたいな振り付けになると三人ののびのびとしたダンスが観られて、思わずニコニコしちゃいますね。

Perfumeのライブには映像化して欲しいと思うものが多いのですが、このAXでのライブではインディーズ時代の作品の棚浚えのようなメドレーがあったようなので、代々木と並んで、いつかの映像化が待たれます。

何のためのPTAかね。

いや、これはお爺さんじゃなくて僕の気持ちです ▽・w・▽