「ファンサーヴィスsweet」の発売が2007年2月、それから2年後2009年3月に発売される「ワンルームディスコ」まで、Perfumeは6枚のシングルCDをリリース、その間2008年の4月にはアルバムを1枚発表し、「コンベス」の時代からさらに19曲を持ち歌に加えます。

これらの曲のうち、楽曲のほぼ全編にわたって三人のユニゾンを中心にしたボーカル編成になっている曲と、メンバーのうち二人ずつの組み合わせでユニゾンが進行していく曲、ソロパートが極端に少ないか、ブツ切れの状態であるものが

TSPS
チョコ
プラスマ
GAME
テクテク
シクシク
23:30

これらをのぞいた12曲のうち

ポリ

パピラ

が、あ~ちゃんのソロパート歌い出しで3曲

SEVENTH HEAVEN
BcL
egde
願い

が、かしゆかソロパートの歌い出しで4曲

マカロニ
セラガ
ラブワ
DF
ワンルームディスコ

が、のっちで5曲となっています。
Perfumeサウンドの中で、誰の声によってまず世界観が提示されるか、というのは非常に大事な要素で、楽曲全体に対する印象はその時点で決してしまうと言ってもいいくらいです。

プロモーションを考える上で重要なシングルCDのリード曲7曲のうち(BcLとマカロニがダブルAサイドなので)、「チョコ」を除いて、あ~ちゃんが「ポリ」、かしゆかが「BcL」で歌い出しソロパートを担当している以外はのっちが4曲を担当。

のっちは的確な音楽的解釈で、明確な世界観を提示するだけでなく、生来の張りのある歌声によってユニゾンパートでも軸となる役割を務め、三部作・コンベス時代、ブレイク期、ネクストステップという言葉に代表されるブレイク後の全盛期、そして武道館ライブ後から始まる安定期の入り口まで、背番号1番をつけたエースとして、アルバム「⊿」から始まる「女神の時代」までの大役を果たします。

かしゆかはこの時代、インディーズ時代ののっちと入れ替わるようにして裏エースとでも呼ぶべきポジションを任されます。
6枚リリースしたシングルCDのうち、リード曲を1曲、カップリング3曲の歌い出しソロパートを担当するだけでなく、のっちを軸としたユニゾンを、時にガラスやエナメルのような硬質な輝きで、時にパウダーシュガーのような甘さでコーティングし、ユニゾンでなければ実現できない領域にまで、切なさの度合いを高めていきます。

特に、Perfumeに初のオリコンウィークリーチャート1位をもたらした「love the world」の中では、のっちと1分40秒ほどずつを分け合う堂々としたリードボーカルとしての力量を発揮。
ボーカルとしての成長ぶりを見せてくれました。

ダンスに関しても、「シクシク」の振り付けによって、かしゆかの人形のように冷たく、無機質な魅力が引き出され、「egde」によってついにその潜在能力を覚醒させます。

「egde」の振り付けは、無理矢理Perfumeのレベルを引き上げるために生み出されたような、演者が感情移入しないことで、観客の感情移入が深まるというパラドキシカルな、いや、え~と、逆をいくダンス。
感情移入することで、音楽の世界と深く結びついていくあ~ちゃん、のっちと、感情移入すべき対象と距離を置くかしゆか。
ステロタイプな音楽、ステロタイプな振り付けであれば、決して生かされることのなかったかしゆかの魅力は、Perfumeというユニットの中で、中田ヤスタカ、MIKIKOという二人の天才が描く、人工的な世界の中で真価を得ます。

「egde」のパフォーマンスにおける、全てを冷たく見下すようなかしゆかの視線は、Perfumeの少女時代に終わりを告げる「ネクストステップ」の、小さな、しかし偉大なる一歩としてファンの記憶に刻みつけられることになります。


…つまり、そのユカって娘は、Sってことかね?

どこでそんな言葉を覚えたんですか?え?ネットで?
グ、○leeは本当に無料で遊べるのかって? 
それは訊かない約束ですよ、お爺さん ▽・w・▽