昨日無事に最終回を迎えたQ10、良いドラマでしたね。

このドラマに出てくる登場人物たちは年齢が若くなるにつれて、死の影に怯え、怯えるあまり過去の辛い出来事や過去の自分そのものに囚われてしまっていたわけなんですが、最終回で、それぞれがそれぞれの未来にはっきりと目標を据えることで死の影を打ち払います。

ロボットであるQ10が、はっきりと主人公の少年の前から姿を消したことが一番優れた設定であって、原作を知らないまま書きますが、結局Q10は「キューイチゼロ」という型番の送信型記録用撮影装置でしかないわけです。
Q10に対して感情移入し、なにか特別な絆があるように感じ、擬似的な恋愛感情さえ抱いてしまっていた主人公の少年の姿は、本人が真剣であればあるほど異様に映ります。
前田さんの可憐な姿に観るものは騙されてしまいますが、アレはいってみれば二次元のキャラクターと大きな差異のない存在なんですね。

主人公の少年が、思わずQ10にキスをしてしまう場面がありました。
実はあれ、キスの意味を知らないという意味においては、相手がロボットでも幼女でも同じレベルの行為と考える事が出来ます。
してはいけないキスだったんです。

ですから、あのドラマが終りを迎えるとき、主人公の少年の恋愛感情の、というばかりではなくいずれ必ず欲望の対象にもなり得ただろう機械が彼の前から姿を消すことは、必要なことだったんです。

Q10が消えたことによって、平太は本来自分が愛すべき存在と出会うことになったわけで、人間の記憶に残らない素材で作られたQ10が、記憶の上でもはっきりとその存在を消し、ぼんやりとした幼児期の記憶のようにしか平田の中に残らない存在となることで、ようやく物語はハッピーエントを迎えることになります。

最後の最後に書き記された「誰がなんと言おうと、彼らはこの世界の何処かで生き続けています」というメッセージが、このドラマを観て感じたことを全て言い表してくれていたように思います。
相変わらず視聴率はふるわかなかったみたいですが(笑)、良いドラマでした ▽・w・▽