「ガールズというマーケット」という記事の中のPerfumeとK-POPさんたちがマーケットの中で多少競合することになるだろう、という僕の意見に対して、まずるな“るの字”ぶるさんから「競合しないんじゃないか」という指摘があり、その理由をストーンコールド=おーすちんさんに書くよう無茶ぶり(笑)をする、という経緯の上でおーすちんさんが記事を書いてくれました。

書けばちゃんと書ける男ことおーすちんさんの記事だけあって、K-POPさんの現状を非常に分かりやすくまとめてくれております。

http://ameblo.jp/austin-stonecold/entry-10712690366.html


この中で異論として取り上げられている点が二つ。
るなぶるさんのコメントによる指摘にもあった、ファン層や購買層が重ならないのでは、という点に対する解説部分。
これは、僕のまったく知らない部分だったので参考になったし、驚きました。

僕が言う競合するだろうファン層、というのはPerfumeと同世代の女性を想定していたものだったんですが、おーすちんさんの記事によると、たとえば現場、イベント会場に来る女性ファンはそれよりもう一世代若い、と。
中高生が中心だ、ということのようなんですね。

Perfumeと同世代のファンの中にはハイティーンも含めていたんですが、ミドルティーンもそこに加わっている、となると「話は変わった」ということになります。
僕がなぜPerfumeと同世代の女性ファンを想定したか、というと、購買力の問題があります。

20歳前後の若い女性というのは、自分の身を飾る物(現代では音楽も『飾り』に含まれます)に、それが良質で、彼女たちの許容範囲として安価であれば、気軽にお金を使うだろう、という意味ですね。
着うた系サイトというルートを通ってPerfumeの音楽を購入する新しいファン層「フロート」の中心に位置するのがこの世代の人たちだろう、と考えていました。

で、おっさんの悲しさで(笑)、うっかりとそれよりも若い世代のことはまるで想定の内側に入れてませんでした。
小中学生なら、PerfumeよりはAKBさんに意識が向くだろう、と思っていたからです。
テレビや雑誌における露出の数の差は圧倒的ですし、月数千円のお小遣いの中から音楽の購入に使えるお金って限界があるような気がして。

そういった若い層、がK-POPさんを支持するというのなら、なるほど、競合するのはPerfumeよりは、ということになります。
ただ、K-POPさんも、というより仕掛けている側としては、やはり購買力を考えて想定しているファン層には、各ユニットのメンバーと同世代の若い女性を中心に考えているのではないか、という気がしますので、まったく競合しないかどうかまでは現時点では判断を保留したいと思います。
仕掛けがいつから始まったか、はともかく、一般的にはK-POPさん(ガールズユニット)の日本進出は、まだまだこれからでしょうから。

え~と、あと、もう一点

<Perfumeにはあまり見られない「印象的な歌詞フレーズの繰り返し」「すぐにでもマネしたくなるダンス」が特徴的で、そのパフォーマンスはかなり異質なもの

という部分。
「印象的な歌詞フレーズの繰り返し」
は、Perfumeの音楽の特徴そのものだし(中田さんの歌詞がどれだけ『~としか言ってないんですけど』とPerfume本人たちからツッコマレタコトカ)、
「すぐにでもマネしたくなるダンス」
これは、「中高生が」という主語が省略されているのかもしれないことを考えても、振りコピさんたちが有料のイベントにさえ出演している事実(最近は以前ほどじゃないのかな?)から考えても、Perfumeにも当てはまることなんじゃないか、と思います。

ただ、るなぶるさんのコメントに対する返事(出かける前に急いで書いたのでずいぶん素っ気無くなってますが)にも書いたように、多少競合しようとも、或いは競合しなくて済むにしても、同世代を巻き込むムーブメントとして共存すること、共存が可能になる規模のマーケットを維持し、出来れば拡大していくことが大事、という点については、僕もおーすちんさんも、るなぶるさんも同じ(意見というよりは)気持なんじゃないか、と期待してます。

それから、俺たちゃ現場で必死なんだよ、マーケットなんざ知ったことかと思っているガールズ好きがいるとしたら。
Perfumeが戦い続けているのは、自分たちの夢の実現がまず第一。
でも、「先導者」として、さらなる先達たちが開き、整備してくれた道をゴリゴリと広げ、伸ばすためでもあるんです。

管理の行き届いた健全なマーケットがあれば、才能や努力が正しく報われるマーケットが整備されれば。
あなたたちの応援する誰かの夢が虚しく潰えることも、あなたたちが慙愧の念に囚われることも減っていくかもしれないんです。

僕はもうおっさんですから長く生きて、優れた才能が正しい評価を受けず、報われるべき努力が誰からも顧みられないままで終わるという悪夢が、現実に起こることを知っています。
それは、今までも起こり、今この瞬間も起こり、これからも起こり続けることなんです。
決して無くすことは出来ない。
でも、少しでも減らすことは出来るかもしれません。

ファンは無力です。そのことを知るべきです。
でも、出来ることは必ずあるんです。
僕にとってはそれが、Perfumeについて考え、こうして記事を書き、Perfumeについて考えてもらえる種を蒔くことです。
ガールズというマーケットは、耕されることをいつも待っている豊穣な大地だから ▽・w・▽