「曲 中田ヤスタカ」
ウオォォォォ!
メインステージには、三体のマネキンが、先ほどまで三人が来ていた蛍光色の衣装を身に着けて立っている。
まさか。
「Perfumeの掟」
え?!または、は!?一部でウキャー!!!!
「Perfumeの掟」の公式映像は残されていない。
ほんの一部がNHKBSのウェンズデイJ-POP内で放映されたのみだ。
直接目撃した人数は、おそらく延べで3000人ほど。
僕は、その幸運な一人だ。
メジャーデビュー以降、しばらくの間、彼女たちのプロモーション上のキャッチフレーズの一部であった「無機質」という言葉が実現したのは、この「Perfumeの掟」の中だけでしかない。
彼女たちは唯一無二の師であるMIKIKOさん演出という強力な縛りがなければ、どうしようもなく生身の人間であることがにじみ出てしまうパーソナリティの持ち主であり、「クール」さも装えない。
「ポリリズム」から始まったPerfumeのブレイクは、彼女たちの「人間性への回帰」の過程とも重なる。
だから、というわけでもないのだろうが、彼女たちをダンシングドールとして、無機質な人形として扱う「掟」は「マカロニ」の出現とともに封印され、原液を薄めた「edge」に引き継がれた。
Perfumeに「掟」があったことなんて、ライトなファンはもう知らないのだ。
それをMIKIKOさんは復活させた。
アルバムをテーマにしたホール・アリーナツアーでもファンとの触れ合いの場を模されたFCツアーでもなく、よりによってドームのステージで。
「perfumeの掟」という文字を見て、頭の中の血が煮えたぎってしまったファンは少数でしかなかったはずだ。
この演出は、彼女たちのダンスに見とれるファンの姿が、一部「ぽかーん」としか見えないという裏腹な一面を持っていて、正直盛り上がりは微妙。
まず、三人はメインステージより後方、オーロラビジョンの斜め下に設置された、本来ならそこがメインステージとなるはずの横長のステージに登場する。
横長のステージには、1234567891011の文字がオブジェとして設置されていて、その奥にはスピーカーを壁にいくつも並べたようにも見える装置も置かれていて、それが「掟」が始まると左右に分かれ、さらに奥にある大きなメインモニターを見せる。
三人はメインモニターと数字のオブジェの間に立ち、時に数字の前に出てくる。
三人によるシンクロナイズドダンスがあり、あ~ちゃんが一度姿を消す。
三人の動きは、三人の声による指令で決められる。
消えたはずのあ~ちゃんはセンターステージにせり上がる。イリュージョンのように。
マネキンはいつの間にか消えていた。
その時、三方の通路先端ミニステージには、またマネキンが出現。
マネキンの頭上には糸に繋がれた白い風船。
スナイパーのように銃器を持つあ~ちゃんが風船を光線で打ち抜く。
ファン、盛り上がる。
また、あ~ちゃん消える。
かしゆかが増殖する。10人になって逆三角形を作ったりしながら「掟」に従う。
(忘れてました、コメントでお知らせいただいた方、ありがとうございます)
のっちの出番になる。
数字のオブジェの一つ一つの前で踊る。今まで披露してきた曲の振り付けの一部を。
あ~ちゃん、ライト側先端ステージに現れる。
おそらく、逆側にはかしゆかも現れていたのかもしれない。でも、ライト側ファンはあ~ちゃんに視線が釘付けだ。
逆側なんて知ったことじゃない。
あ~ちゃんも過去の振り付けを踊る。「edge」。クールだ。
その間にのっちがセンターステージまで移動している。
あ~ちゃん、かしゆかが通路先端から移動する間をダンスでつなぐ。
三人が揃うと、また人形の声。
「タイミングを合わせて」
シンクロナイズドダンス。
これが終わってメインステージの一部が下がり、三人がいなくなるように見える。
モニタースクリーンでまたCGが派手になり、それからまた三人が現れる。
ここで、三人は武道館ライブ一曲目の「シティ」の終わりの場面のように、故障し、不具合を起こす。
再起動を試みても、システムエラーが改善されないまま、何度も動きかけては朽ちる。
無機質な、アンドロイドによるダンスシークエンス、それが、「Perfumeの掟」だ。
三人に言っておくけど、観客は見とれていただけだから。
「あれはやらんほうが」なんて言わないように ▽・w・▽
言い訳の追記:
記憶を振り絞って書いてますが、メモなど取っていたわけではないので、演出の動きや順番、三人の位置関係については曖昧な部分が多く、間違いやなども見られるかと思います。
ごめんさない、先に謝っておきます、本当にごめんなさい。