以前結婚式場に勤めていた、という関係上、僕は年に数度、ディナーショーなどで会場にやって来る芸能人を間近で見る機会に恵まれていました。


ディナーショーですと堺正章さんとか、小柳ルミ子さんとか、松崎しげるさんとか、山本譲二さんとかディナーショー界の大物のみなさんや、イベントのゲストであれば映画監督の大林宣彦さん、モデルとして人気の高かった頃の梅宮アンナさん、羽賀研二さん、ヒッチハイク旅行から帰ってきてまだCDを出す前、ブレイク寸前の猿岩石とかLLブラザーズ、ジョニー大倉さん、西城秀樹さん、鈴木一真さん、川岡大次郎さん、人気絶頂だった頃の河村隆一さんは出席したテーブルを担当したこともありましたし、政治家でいうとH野G志さんなどの民主党系議員やS藤Tつぐさんなどの自民党系議員、ファッションショーのゲストに招かれる元プロ野球選手や、結婚式の司会で呼ばれるテレビ局アナウンサーとか、お笑い系でいうと綾小路きみまろさんやちょっとお名前は忘れちゃった落語家さん、布施辰徳さん、でしたっけ、ものまねタレントの方もおおぜい来館されてました。


思い出せない人も多いんですが有名無名を問わず、いわゆるタレントさん、というのはけっこう数多く間近で見てきて、不愉快な思いをしたことってまずありません。


みなさん非常に物腰が丁寧だし、それはスタッフの人達も同様。


彼らにしてみれば営業に呼ばれた先の従業員だから、ということもあったのでしょうが、いい人ぶりを感じることの方が多かったように覚えています。


ディナーショーの場合、呼ぶタレントさんのランクによってギャランティはそれこそピンキリで、僕が勤めていたような地方の結婚式場の場合、例外を除いて売れっ子の一流どころなんてとても呼べませんから、どうしても中心は誰だっけ?というような演歌歌手とかタレントさんになるわけです。


そのタレントさんが女性だった場合。


芸能人をなめちゃいけません、有名無名を問わず、みんな綺麗な人ばかりだったような気がします。


小柳ルミ子さんだったかな、僕がお見かけした折にはもうけっこうな年齢だったはずなんですけど、小柄でほっそりとしてスタイル抜群、男性より同性には厳しいはずの若い女性社員なんかが「スタイルいい~」と騒ぐくらい。


名前も知らないような演歌歌手(僕が知らなかっただけでカラオケではよく歌われている人もいたみたい)でも、肌が綺麗とか、実年齢には見えないとか、一般女性とは明らかに違う何かをまとっている方が多いんですね。


で、我らがPerfumeの場合。


やっぱり彼女たちは芸能人という一般人に対するところの異族、の中では図抜けて綺麗とか可愛いとかスタイルがいいというわけではない、と思うんです。


ファンとしての主観はどうあれやっぱBクラスくらいかな、と。


でも、実際に近くで見てみれば三人とも驚くほどに綺麗だろうし可愛らしいだろうし、スタイルもいいだろうな、とも思うんです。


彼女たちはそういうタイプの芸能人なんだ、ということ。


芸能人の中には、スクリーンやグラビアやテレビ画面の中で綺麗、実物も綺麗、という人や、実物はう~ん、という人や、実物は輪をかけて綺麗、という人もいれば、スクリーンやグラビアやテレビ画面の中では、まあ普通かちょっと可愛いくらいだよな、という印象が実際に見てみるとありえないくらいに綺麗に「見える」人もいる。


Perfumeっておそらく最後のパターンに属する芸能人であって、それは芸能人としての彼女たちの魅力そのものに言えることで、困ったことに彼女たちの魅力ってそれを理解するのには条件が限られてしまうことが多かったように思うんです。


実際に見かける可能性くらい稀な条件が。


ステージに立っている彼女たちを見てよと、音楽の良さをライブで感じてよと言っても、それが可能になることって少ないわけです(ライブチケットが入手困難だったり)。


Perfumeのメジャー化、というのは、そうした彼女たちの魅力が分かりやすく大勢の人に伝わりやすい環境を整えるために行われるもの、という面が大きいように思います。


NBBのCMも然り、彼女たちのスタイルの良さとか、年齢相応の魅力を備えた女性であるとか、そういった点は少なからず伝わったはずです。


もしPerfumeのメジャー化が、そういった方向性、彼女たち本来の魅力を分かりやすく大勢に伝えるためのもの、であるならば、一部のファンが心配するような「変容」「変質」が起こる危険性はまずないだろう、と僕は考えています。


Perfumeの魅力って伝えにくいんだよな、すぐには分かりにくんだよなっていうのはもしかしてファンの杞憂に過ぎず、案外ポンっと一般受けしちゃうかもしれません。


Perfumeというユニットの可能性は、まだ誰にも読みきれていない大きなものです。

今年は様々な点でPerfumeファンとしての固定観念が揺るがされることになるかもしれません。


それすらも楽しめるように、心を備えておきたいな、と思う所存であります ▽・w・▽