まず、あ~ちゃんが
続いてのっちが
かしゆか嬢まで。
Perfume、お亡くなり中の映像からお送りしております。
でもまあ撮影スタッフは丁寧に、よくぞ、というほどメンバーそれぞれの表情を細やかに捉えていて、関さんはそのスタッフの努力に応えるように丹念に編集していますね。
今回のライブDVDにも、PerfumeのDVDらしい様々な側面があるわけなんですけれども、まずはポートレイトとしての役割、を個人的に高く評価したい、と思います。
評価したいなんて偉そうですが。
三人の表情を丹念に捉えた画を使う、ということは、その他、たとえばダンスのシークエンスであるとか、そういったものの一部を使わない、ということであって、その選択に対する評価は未だに様々なんでしょう、でも、僕は本当にこのDVDは好きです。
もうひとつの重要な役割、側面の一つとして、やはり音楽の魅力を捉えた映像になっている、ということを挙げたいと思います。
Perfumeのあらゆるパフォーマンスの中心にあるのは、音楽です。
中田さんの音楽的世界観を視覚化するMIKIKOさんの振り付けがあり、歌とダンスと多彩な表情によるまるで演奏しているかのようなパフォーマンスがあり、音楽を表現する三人が立つステージを引き立たせるステージ演出がある。
関さんがもともとPVを制作する際に中田さんの音楽に対するような姿勢で臨んでいる、というのはQJのインタビューなんかでも知られていることでしょうが、今回のDVDも、関さんによるPerfumeサウンドの映像的音楽表現として、とても優れてものになっているように思います。
「ポリリズム」のポリループ前後の映像の切り替えの巧みなことと言ったら。
ああいう場面でこそスウィッチング云々ということは語られるべきだろう、と思いました。
スウィッチングに関して、僕は「bitter」はう~ん、で今回はブラボーだ、と言うのは関さんスタイルの編集というのはある程度以上の会場の規模を必要とするものだからじゃないか、という気がしています。
アストロホールという小さな会場では、引きの画といっても三人の立ち姿で画面いっぱいとなり、腰から上、バストショット、さらに倍率ドン、でどどどアップくらいの映像の連続になってしまい、距離感の表現であるとか構図そのものがとても制限のきつい状況であった、という気がします。
それが、当時のアストロホール内のみっちりとした状況、雰囲気を伝えてきているのは確か。
手法としては、とても有効なものなんじゃないか、と思います。
この「bitter」の中で提示された手法そのものの有効さ、がとても分かりやすく証明されたのが、今回のライブDVDなんじゃないか。
どアップ、アップ、寄り、ちょい寄り、正面フィックス、正面引き、観客越し客席、観客越しクレーン、会場全体、ステージ「デル・ピエロゾーン」、センター通路左右、センターステージ全方向、ステージ越しステージ+観客席、ステージ俯瞰、ステージ上部。
カメラを多数設置出来る状況になったことで、構図全体が物理的に増え、多様性を増し、距離感が的確に表現出来るようになった。
そのことによって、ライブ全体の雰囲気がすごくリアルに再現されていて、そのリアルさ、が何よりも今回のDVD映像の魅力になっているように思います。
何度でも証言しますが、あの日の会場で起こったこと、は関さんによって構成されたあの映像そのものでした。
もどかしさも含めて、全部が。
だから。
僕は今回のDVDは売れて欲しいな、と思うんです。
Perfumeの魅力の詰まったこのDVDが。
もっとおおぜいの人にPerfumeの魅力を知って欲しい、Perfumeを「現在までの」Perfumeファンだけの物にしてはいけないんだ、と。
新しいファンが増えることで、Perfumeの魅力が更新される。
「現在までの」ファンが認めたことだけが、Perfumeの魅力であるはずがないんです。
僕たちが未だ気づくことのできないでいるPerfumeの魅力を、あらたに提示してくれるファン、ファン層の出現を、僕は待っています。
ライブDVDは、現在1月22日付のオリコン音楽DVDデイリーチャートで5位をキープ。
頑張れ ▽・w・▽ノ