二度目のMCタイム。
一度照明が落とされる。
センターステージからメインステージ側に戻る途中で水分補給を済ませ、タオルで汗を拭いたのっちが再びセンターステージまで歩きながらのソロトーク。
あ~ちゃんかしゆかは、センターステージ前のステップまで戻って段に座る。
ステージ横下に紙バッグを提げたスタッフが張り付き、二人にタンブラー、タオルを渡そうとしていた。
あ~ちゃんは一度靴を脱いだようだ。
あ~ちゃんの向こう側にいるかしゆかが、あ~ちゃんのためにタンブラーを取ろうとステージ端まで来るが、先にあ~ちゃんが自分でタンブラーを取ったので空振り。
あ~ちゃんは、アリーナE席にいる僕たち側に顔を向けてずっとスタッフと何か話している。
そのあ~ちゃんにかしゆかが何か声をかける。
やがて二人ともステップ部分の最上段に座ってセンターステージに残って観客に話しかけるのっちを見る。
のっちは昨日(29日)のリベンジだと意気込んでいた。
29日にのっちはある仮説を提唱した。
人間は二つの種類に分割される、と。
分類、と言うべきところを、分割してしまっている時点でのっち氏の仮説はつまずいてしまった。
そんなつまずきも気にせず、強引に話を進めたのっちは続けて
人間は、おなかが空くと眠れない人間と、おなかが空いたままでも眠れる人間、二種類に分かれるのです
言った。
言い切った。
29日に会場内に起こったどよめきは、のっちが、あののっちがまともなことを言った。
あるよ、それ、ありだよ、という共感と賛嘆のどよめきだった。
自分は前者である、おなかが空くと眠れないので翌朝用に、と思って買っておいたパンを食べてしまうんです、とのっちは話を続ける。
のっち氏の新説は観衆に受け入れられるかに思えた。
たしかに、夜に空腹を感じると、何か軽くでも食べてから寝ようか、身体を気遣って食べずにすませようか、と悩む時がある。
さて、自分はどちら側の人間だろうか。
好意的な観衆の様子にのっち氏も満足げだった。
のっち氏の後方に座る、怖い怖い二人の姉にスポットライトが当たるまでは。
のっち氏が話を始めた当初から
大きく出たね~、大丈夫?
なんか不安だなぁ
と、懐疑的な姿勢を崩さなかった二人、のっち氏を永遠にPerfume第三の女に据え置くソウルメイト、あ~かし。
反証が始まる。
話を簡単にすると
おなかが空くとテンションが上がって、おなか空いたおなかが空いたワーイ、となって、コトン、と眠りに入れる
という、かしゆかと
おなかが空いてくると、なんか気持ちいいんですよ、で、そのまま寝ちゃう
という、あ~ちゃん。
3人のメンバーの間でだけでさえ、こんなにパターンが分かれるんだから、のっちの言うことは成立しないんだよ、と新説、却下。
一時はのっち氏の新説を受け入れるかに見えた観衆も、ああ、そうか、そうだよな、のっちの言うことだもんな、と納得してしまった。
僕は問いたい。
我々は、あの時、のっちの新説をあれほど容易に退けてしまってよかったのだろうか。
二人が言っていることは、のっち氏の主張する2分割説の後者、空腹を感じたままでも眠れる人、をさらに細かく分けた、というだけであって、のっち氏の掲げた大前提はそのまま成立しているのではないか。
つまり
空腹のままでは眠れない人→ のっち
空腹を気にせず眠れる人 →テンションが上がるけど眠れるかしゆか
→気持ちがよくなって眠れるあ~ちゃん
おお、成立してるじゃん。
というわけで、ぼくはここに再びのっち氏の新説を支持する、という意思を掲げる。
ただ、30日の時点では、誰ものっちの肩を持ってくれる人はいなかった。
だから、のっちは、のっち氏はツアー中に掲げたもう一つの新説、こればかりは僕ものっちの肩を持つわけにはいかない、何とも奇妙な珍説をくり返したのだった。
いいですか、みなさん。
人間には、ひじが、三つあるのです。
言った。
言い切った。
神よ、のっち氏を救い給え。
三つ数えますよ、右ひじと~、左ひじと~
まさか、まさかのっち
アゴです
言った。
言い切りやがった。
のっち氏の主張はこうである。
下唇辺りに力をこめると、アゴにしわがよる。
まるで梅干のようになる。
自分は子供の頃からこれが嫌で、だからここはアゴじゃないんだ、ひじなんだ、ということにしたんです。
したんですって、そんなもん、お前のさじ加減ひとつだろーが!
なぜそれを、万国共通の真理のように語る?何がキミをそこまで追い詰めたんだのっち。
この日の新説が、この後、のっちに突っ込む時ばかりは髪の毛が蛇のようにのたうつ怖い怖い二人の姉から退けられたことは言うまでもない。
哀れな子のっち。
そして、僕は問いたい。
こんなライブレポがあって良いものなのだろうか。
まだ半分って ▽・w・▽