リック・スプリングフィールド。
この人の名前、今の若い人はまったく知らないんでしょうね。

この人は1980年代に活躍したロックシンガーで、ご覧のとおりのハンサムさん、人気の出るきっかけとなったのが「ジェネラルホスピタル」というメロドラマに出演したこと、らしいです。

このキャリア、というのは当時(81年)から知られていたことなんですが、ドラマが昼のメロドラマ、ということもあってか日本では取り上げられることもなく、おそらく日本でこの人の俳優としての活動を目にしたことのある人はほぼいないはず。

日本での人気は、この人の音楽と、外見のかっこよさによるもの、といってよかっただろう、と思われます。

元々音楽活動は地元オーストラリアで20代の初めにバンドを組んでプロデビューしていて、彼の出世作「ジェシーズ・ガール」が発表された81年の頃には10年以上のキャリアの持ち主だった、ということのようですが、もちろん日本にいるわれわれにとってはまったくのニューカマー。

49年生まれということですから、81年当時にはもう32歳になっていたわけですね。
遅咲き、と言っていい売れ方です。

メロドラマで人気の出た、ハンサムなロックシンガーというと、音楽も大したこと無くて、売れても一発屋で。
そんな勝手なイメージを見事に覆して、この人は80年代後半までヒットチャートの20位前後にアルバム、シングルの双方を送り込む活躍を見せます。

彼の音楽性もきちんとした評価を受け、出世作「ジェシーズ・ガール」はビルボードのヒットチャートで1位を獲得したばかりか、その年度のグラミー賞最優秀ロックボーカル賞を彼にもたらします。

彼がチャートのトップ10に送り込んだシングルは81年から84年までの間に5曲。
基本的にアルバムから最初にシングルカットされた曲がトップ10入りを果たして、2番目、3番目にシングルカットされた曲は20~30位くらいという成績。

今回取り上げたこの「Souls」は、1983年に発表されたアルバム「Living in Oz」から3番目にシングルカットされた曲でチャートでは23位止まり。

僕と同世代でリック・スプリングフィールドをご存知の方でも「なぜ『ジェシーズガール』でも『リビング イン オズ』でも『Don’t talk to Strangers』でも『ラブ サムバディ』でもなくてこの曲なんだ?」と、思われるかもしれません。

でも、僕はこういうベタでメロドラマティックでポップなロック、も好きなんです。

残念ながらこの曲も発表された当時のライブ映像が無くて、MVのみ。
演出意図不明なMVですが、これも当時のよくあるパターンと言えるかもしれません。

リックさんは88年頃に一旦音楽活動を休止、90年代終わりころから再開して2000年代始めにはラスベガスでのショーで成功を収め、その後も音楽活動を積極的に行っているようです。

とは言っても、またヒットチャートを賑わす、という意味ではなく、ようつべで最近のライブ映像などを観る限り、昔のファンを中心にした客層を相手のライブツアーで昔のヒットナンバーを歌いながら、ある意味ご機嫌な音楽生活を送っている、という感じのようです。

現在ではアメリカでもヨーロッパでも80年代に活躍した歌手がそうして当時のファンを中心とする観客を相手にしたコンサートを開いたりして、何とかビジネスとして成立する例が多いようですね。

いつもチャートの売上げに活動の動向が左右される「現役」としての活動とはまた違う、そうした音楽との接し方もあるんだな、それはそれで楽しそうだな、と思ったりします。

本人たちがどう思っているのかまでは分からないのですけれど ▽・w・▽


追記:

この人はかつてのかっこいいロックスターが、ある程度以上の年齢になって太ったり頭髪が寂しくなったりして面影がなくなってしまう、なんていうこともなく、現在でもグッドシェイプを維持、イメージで言うと岩城コウ一さんとか、舘ひろしさんかな。
違うかも。