Perfumeは2006年12月20日に


Twinkle Snow Powdery Snow


を配信限定リリースという名目で発表、配信。

翌21日に行われたライブイベント


Perfume presents~Perfumeがいっぱいサンタ呼んじゃいました♪~


で初披露されたこの曲は、翌年2007年2月14日に発売された


ファン・サービス〔sweet〕



チョコレイト・ディスコ


とともに収録され、PVも制作されます。

初披露されたライブの模様も、2007年3月14日に発売された(決して寝る前に観てはいけない)


ファン・サービス〔bitter〕


に収められ、ブレイクへの準備期間とも言えるコンベス~ファン・サービスの時代は、緩やかに幕を閉じ始めます。


この時代のPerfumeの音源に記録されたボーカルの特色は「近未来三部作」後半から引き続き


歌い方はのっち、声の色合いはあ~ちゃんかしゆかのブレンドによるユニゾン


が、受け継がれていることを挙げられます。


そして、作品世界を彩るための演出としてピッチ補正ソフトによるボーカルエフェクトも、受け継がれていました。


中田さんのインタビューを読むと、ピッチ補正ソフトを使ったボーカルエフェクト自体はcapsuleのごく初期から使われていたもののようなんですが、Perfumeにはcapsuleと違ってボーカルが3人存在します。


中田さんは、このボーカルが3人いること、しかも固定されたリードボーカルのいない3人のボーカル、というスタイルにずいぶん長い間慣れることが出来なかったんじゃないか、と思います。


ある意味、Perfumeのサウンドが完成を見る「シティ」「エレワー」の2曲を考えてみても、「シティ」は全曲を通じてユニゾン(とハーモニー)であり、「エレワー」は、はっきりのっちのボーカルを軸に据えた曲作り、になっています。


「リニア」に始まり「シティ」「エレワー」と続くボーカルエフェクトの特徴は、3人の声、その個性の圧縮ではないか、と思います。


強力に加工することで、3人のうちの誰かに、というわけでもなく、しかし何となく3人の声質、色合いみたいなものをある一点に向けてプレスをかけ、糸を縒り合せるように三重螺旋を描くようにまとめる。


三重螺旋の繊維が、等分に縒り合わさっているのが「シティ」であり(じつはところどころ太さが変化しているんだけど)、ある一本の糸(のっち)を太くしたのが「エレワー」である。

これが「近未来三部作」から始まったPerfumeのボーカルエフェクトの、初期のコンセプトです(全国インディーズ期~ションションションの時代のエフェクトは、個性の野放し)。


「個性の圧縮」というボーカルエフェクト初期のコンセプトは、曲調のまったく違うメジャーデビュー後の三作の世界観を統一、「ロボ声」に近づけられたようなボーカルエフェクトは、「無機質な近未来テクノポップユニット」というユニットイメージの演出にも役立ったのではないか、と思います。


そして、この「個性の圧縮」というコンセプトは、コンベス~ファン・サービスの時代にもユニゾン部分などで一部受け継がれ、この時代から加えられた3人のソロパートにおける「個性の強調」と合わせて、アルバム「GAME」後から始まる「個性への解体」まで、長い間Perfumeのボーカルエフェクトにおける主軸となっていきます。


Perfume専用であったはずの「個性の圧縮」というコンセプトに、本来は中田さんがプロデュースするソロボーカリストのためのプロジェクト専用のコンセプト「個性の強調」が加えられたことで、Perfumeサウンドは、(ボーカリストに好きなように歌ってもらって、その結果に合わせてオケを変えていく)中田ヤスタカプロデュースの作品群の中で、特権的な地位を獲得していくことになります。


次回のタイトルは コンベス~ファン・サービスの時代 ステップ ▽・w・▽


お得意のどうでもいい追記:


ちなみに今回の「歴史と変遷」のコンセプトは、まだまだライブに行けないファンのための暇つぶし、です。

本当にザックリと書き上げるつもりだったんです。

ちくしょー、コンベスめ、ファン・サービスめ、おかげで予定が。